番外編「妹の憂鬱な日常part1(※魔神注意報)」
セレネside
「さて、お姉ちゃんは今日遅くなるって言ってたし、先にお風呂入ろうかな。さっちゃんも入るー?」
『おう、当たり前だろ?悪魔とはいえ風呂に入らないのは流石にキツいわ』
サタンが聖騎士である獅朗ちゃんに憑依したことで、騎士團は今大騒ぎだ。
現在サタンは僕の元で物質界ライフを満喫することに決めたので、居候ということになる。
………こんなこと上にバレたら大変な事になるね、特にお姉ちゃんは僕よりもサタンのこと根に持ってるし。
僕は猫又のサタンを頭に乗せ、着替えを持って脱衣場へと向かった。
『つーか旧男子寮なのに男湯と女湯両方あるってどういうことだよ;』
「さぁ?サマエルに聞かないと分かんないよ。
もしかしたら昔男と偽って入学してきた女の子がいたりして。」
『なんだその漫画みたいな展開。
…………てかお前、12歳にもなってうさぎパンツかよ』
「なッ……!!//人の下着ジロジロ見ないでよエロ魔神ッ!!
猫又の姿なんだからすぐにお風呂入れるでしょ?先に入っててよ!!」
『俺に命令すんなっつーのッ!!』
そう言いつつもスタスタと風呂場へ向かうサタン。
僕は溜め息をつきながら体にタオルを巻き、風呂場の椅子に座って頭を洗いだす。
えーっとシャンプーシャンプー………頭洗う時って未だに目を瞑ってないと駄目なんだよねぇ僕。
あれ?シャンプー何処だー?
「さっちゃんシャンプー取ってー!」
『ほらよ』
「ありが……って、え?;」
え、ちょっと待って、今ついさっちゃんに取ってって言ったけどさ、
猫又の状態でお風呂に入ったんだから取れるわけ………
風呂桶のお湯で素早く顔を洗い、バッと隣を見るとそこには……案の定人型の姿になったさっちゃんがいた。
「くぁwせdrftgyふじこlp!?///」『あ?別にそんな驚くことねぇだろ?風呂くらいゆっくりさせろや』
「いやゆっくり以前の問題だよッ!!//僕ら男女!!性別違うからね!?」
『良いじゃねぇかよお前まだガキだし。』
「子供の教育に悪いとかなんかあるでしょッ!?ていうかタオル巻いてタオルッ!!前隠してッ!!
僕後で入るからさっちゃんから先に入ってッ!!//」
『なんだよ照れてんのか?俺様が洗ってやるからさっさと入ろうぜェ♪』ニヤリ
「ぎゃぁぁあああッ!!」さっちゃんは指パッチン一つでタオルを腰に巻き、ニヤニヤしながら僕に近づいてくる。
僕の反応見て楽しまないでよ馬鹿サタンッ!!
僕は逃げようと抵抗したが魔神に敵うわけもなく、隅々まで綺麗さっぱり洗われました………
まるで家族で背中流しっこするようなノリで。
「うぅ……もうお嫁にいけない………;」
『安心しろ、もしお前が人間に嫁ごうもんならソイツ燃やしてやるよ。あー子供体温あったけー』
「何それ理不尽ッ!!ていうか悪魔なら良いんだ!?」
『俺の息子達の誰かならまだ許すぞ?』
「なんで王と結婚しなきゃいけないの…;“まだ”って何なの“まだ”って!!」
『お前のモノは俺のモノ、俺のモノも俺のモノ』
「出たよジャイアニズム;」
こんな事がいつまでも続くんじゃ、折角のお風呂で癒されないじゃないか。
浴槽に浸かってさっちゃんの胡座の上で抱き締められながら、僕は今日一番の重い溜め息をついた。
To be continued…