Prologue
人が集まる都会の街、ヨークシンシティ。
その街の中をレイ・ゾルディックは一人で歩いていた。
「……」
レイは先程まで自分の所属している幻影旅団の団長であるクロロ・ルシルフルと共にいたのだが、訳ありで出てきたのだ。
………所謂、家出である。
「(暇だな………あ、)そうだ」パカッ
レイは何かを思いだしケータイを開く。
ピッ……prrr………prrr………プツッ
『もしも「ハンター試験、私の分も出して。」』
レイは自身の友人であるセレネに電話をかけた。
『えッ……(あぁ、この間言ってたやつか。)うん、分かった。』
「あと、試験会場の場所も」
『もう調べてあるよ、ザバン市ツバシ町2丁目5ー10飯処ゴハン、合言葉はステーキ定食 弱火でじっくり。』
「…………情報早いね。」
『ふふーん、情報屋である僕をなめてもらっちゃ困るよ?』
「流石私の下僕。」
『なッ……!!僕は下僕じゃないッ!!!』
「結構本気なのに………。」
『いや駄目だから。』キッパリ
「……………じゃ、頼んだ。」
『ちょ、受け流さないでよ;まぁいいや、了解。』プツッ
「さて……と」
スッ……
―ドッペルゲンガー―
[鏡越しの自分]
―シュンッ―
レイは自分のオーラを変化させ、それを全身に纏いある男の姿に変わった。
「よし、行くか」ニッ