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俺は今ユグドラシルにいる。俺は授業の後プロフェッサーにデュノア社のことを調べてほしいと頼んだ。プロフェッサーならハッキングを簡単にやってのける
「デュノア社は量産型ISのシェアが世界第3位の企業らしい」
「3位?」
「ああ。と言っても、第2世代だけどね」
「第3世代は?今はそっちの開発がメインだろう?」
「デュノア社は技術力と情報力が不足しているらしいからね、だから第3世代の開発が出来ていない状態なんだ」
「ほう。それで、シャルル・デュノアについては?」
「デュノア社の社長の子供に、シャルルという男はいなかった。いたのは、シャルロットという名の女だ」
「やはりな。あいつは女だったか。だが、何故男装させてIS学園に?」
「さっきも言ったけど、デュノア社は技術と情報が不足しているからね。第3世代のデータ取りに向かわせたんだろう。ま、後は自分の会社の男の操縦者がいるということを知らしめて注目を集めるつもりなんだろうね。今さらそんなことしても、不自然極まりないと思うけど」
「もし、アーマードライダーのデータ取りも兼ねているとしたら?」
「アーマードライダーのデータが取られても、戦極ドライバーとロックシードがないと意味ないし、仮に戦極ドライバーのデータが渡ったとしても、ロックシードを作れるわけがないからね。戦極ドライバーが作れたら、それはそれで凄いか」
「確かにな。まあ、原材料のレアメタルには限りがある。そう簡単には行くまい」
「そうだった、デュノア家は家庭事情が複雑みたいでね」
「複雑?どういうことだ?」
「シャルロット・デュノアは、デュノア社長の愛人の子なんだってさ」
「愛人の子だと?」
「ああ、いろいろ調べてみたら、シャルロットを産んだ本当の母親は2年前にすでに亡くなっているんだ」
「ほう」
「それで、デュノア社長の本妻と家族になってるというわけだ」
「じゃあ、今回の男装をしての転校は、本妻の命令かもしれないな。本当の子供でなくても、本当の子供のように大切にする者もいれば、本当の子供でないからといって虐げる。今回の場合は後者だ。本妻はせいぜい赤の他人としか思っていないのだろう」
「貴虎、君はシャルロット・デュノアを気にかけているのかい?」
「ふん、まさか。俺は他人の家庭事情に介入するつもりは全くない。自分のことなのだから自分でどうにかするべきだ」
「随分と厳しいことを言うねえ、貴虎」
「もしもあいつが女だとバレた時に、悲劇のヒロインを演じる可能性もあるかもしれない。俺はそれが嫌なだけだ」
「まあ、君らしいと言えば君らしいか」
「では、俺は戻るぞ」
俺はIS学園に戻った