9
僕は呉島光実。貴虎兄さんの1つ下の弟だ。僕もユグドラシルに所属している。兄さんがISを動かしたと聞いた時は驚いた。僕だって検査は受けたけど動かなかった。それが普通のはずなのに。動いた理由は今でも分からない。むしろわからなくてもいいかもしれない。気にはなるけど。
僕は中学3年生で受験生だ。僕はISを動かせなかったからIS学園に行くことはない。兄さんには悪いけど受けたい学校を受験できる。
僕が通っている中学には女尊男卑主義者は誰もいない。むしろ皆否定している。もちろん先生達も。クラス皆、男女関係なく仲良しだ。テストの時だって、全員で1位を取るくらいに纏まっている。
そして部活はダンス部に所属している。はっきり言って僕はダンスは上手ではない。むしろ下手な方だ。それでもどうしてダンス部に入ったのかというと、入学した時の新歓で部活紹介の時のダンスがカッコ良くて魅了された。それで入部を決意した。ダンス部に入ることを兄さんは否定しなかった。兄さんは武術部に所属していた。因みにこの学校は強制入部だ
兄さんがISを動かした時、家に政府関係者がやってきた。何の用だったかというと『要人保護プログラム』のことだった。兄さんがISを動かしたことで、各国がやけになって兄さんを狙ってくる可能性があるからだ。それで、家族が巻き込まれないようにするためだったが僕たち家族全員で断った。そんなことをしなくても僕たちには追い返す術はあるからね
そして、次に驚いたのは、プロフェッサー凌馬がアーマードライダーを公表したことだ。ユグドラシルが会見をしたその日からアーマードライダーのことで持ちきりだった。それからしばらくの間、トップニュースや新聞の一面はアーマードライダーのことで埋められた。どうしてプロフェッサーはアーマードライダーを公表したのかはわからない。それからというもの、各国の政府はユグドラシルを付け狙ってることがわかる
僕が学校から帰ったら、家の門に見知らぬ女の人がいた
「どちら様ですか?」
「私はね、こういう者よ‼︎」
すると女の人は量産型IS『ラファール・リヴァイヴ』を展開した。この女の大体の目的はわかった。兄さんがユグドラシルであることは既に知られている。ということは、IS委員会か女性権利団体が仕向けたのかな?大方、弟の僕を殺害なり誘拐に来たのだろう
「…僕を人質にする気か?」
「あら、よくわかってるじゃない。あなたを人質にしてユグドラシルからアーマードライダーを消滅させるのよ」
「僕一人を誘拐したくらいで、そんなことができると思うのかい?」
「だってあなた、ユグドラシルの御曹司で男のIS操縦者の弟なのよ。それを誘拐すれば、向こうも黙ってられるわけないでしょ」
この女、本気でそうなると思ってる。でも、僕だってただ誘拐されるわけにはいかない
「今僕しかいないからって大人しく人質にされると思ったかい?あいにくだけど」
僕は戦極ドライバーを取り出した
「まさか、あなたも…?」
僕は戦極ドライバーを装着し、『ブドウロックシード』を出し解錠した
『ブドウ』
空が裂け、そこから巨大なブドウが現れた。僕は両腕で円を書くように振って腕を閉じ、ロックシードを前に出して戦極ドライバーにセットしハンガーを閉じた
『ロック・オン!』
戦極ドライバーから中華のような音楽が鳴った。そして
「変身‼︎」
僕はカッティングブレードを振り下ろした
『ハイ〜ッ‼︎』
『ブドウアームズ‼︎』
ブドウが僕に覆い被さってスーツが形成され、ブドウの中で僕の頭に兜が装着された
『龍・砲・ハッハッハッ‼︎』
ブドウが展開してアーマーになった。そしてメイン武器『ブドウ龍砲』が現れた。僕は『アーマードライダー龍玄』に変身した
「だ、だから何よ‼︎」
女はレーザーを発射してきたけど、僕はそれを避けた
「ヤアッ‼︎」
僕はブドウ龍砲を撃った
「ぐっ…」
女は飛ぶけど、逃がさない。僕はダンデライナーを展開し、女を追った
「そんな物で‼︎」
女はレーザーを撃って来るけど、僕はダンデライナーを動かし攻撃を避けながら近づいた
「くらえ‼︎」
僕はゼロ距離でブドウ龍砲を撃った
「キャアアアアアア‼︎」
女が地面に落ちるまで撃ち続ける。そして地面に落ちた。僕はダンデライナーから降りてカッティングブレードを一回倒した
『ブドウスカッシュ‼︎』
ブドウ龍砲のレバーを引いてエネルギーをチャージする。エネルギーが溜まった
「ヤアッ‼︎」
僕は必殺技の『ドラゴンショット』を放った
「キャアアア‼︎」
ドラゴンショットが決まってISがところどころ破損しているのがわかる。でも完全には破壊されていない。するとISが強制解除された。僕はロックシードを畳んで変身を解いて女に近づいた
「今日は見逃してあげるよ。でも次はないと思ってね。そうだ、君を仕向けた人に言っておいてよ。半端な覚悟でアーマードライダーに挑むな。ってね」
「クソオオーーー‼︎」
女は逃げた。これで僕も、完全にISの敵になった