02
高校を過ぎる頃には章吾は学校1の不良で、
10時を過ぎて家に帰る時には、叔父の家には鍵がかかっていて、
「おい、おっさん。家に帰ってきたぞ!」
すると育ての父が章吾に、
「門限は8時と言ってたはずだぞ」
と叫ぶ。章吾の不良ぶりに子供のいない育ての母もよく泣いている状態だった。
章吾は家のドアを蹴り飛ばして、
「おい、開けろよ」
と言う。
何を言わないで、鍵を開けないので、章吾はそのまま家からどこかに出ていった。
その日章吾はソープランドの女と高校生ながら1夜を共にしていた。
ソープの女は下着姿で携帯を見て、
「章吾?お母さんから着信来てるよ」とソープの女言う。
「おかあさんじゃないよ、おばさんだよ」
章吾は言う。
「今日も泊まりたいな」
「ダメ章吾、今日彼とだから」
「またあの医大生と」
「彼の事悪く言うのはやめてね」
そう言って、彼女は台所へ向かう。
その日章吾は家に向かう。
「帰りました。家に入れてください」
章吾の答えに、育ての母は家の鍵を黙って開ける。
そんな日々、
ゲーセンの格闘ゲームに煙草を吸いながら、夢中になっていた章吾に携帯で連絡が入る。相手は章吾の担任の女性の先生からだった。
「章吾君?」
「何?」
「話があるから、今から会えない?」
「何の話ですか?」
「どこでもいいの」
「だから何?」
「高校の卒業の事で話があるの」
章吾は黙って、
近くの外食店に先生とともに話す。
「このままいったら卒業無理なんだ。学校来てくれない?」
「後、何日くれば卒業できるんだよ」
「大分、来ないといけない。ある程度来てくれば、私がなんとかしてあげるから・・・」
次の日に章吾は学校の教室に姿を現す。
その姿に教室の同級生は章吾を見つめて1舜静かになった。
小声で、
「章吾だ」
教室の自分の椅子に座った章吾はあくびをしだした。
章吾を見た、知り合いが、
「おい章吾、何しに来たんだよ」
それを聞いてその子を章吾は睨みつけると、
「見りゃわかるだろ、学校来たんだよ」
優等生風のクラスのボス風のその子と知り合いは、笑い出した。
「お前なんてずっと学校こなけりゃいいのに」
「だから何も言ってねえじゃねえか」
「卒業きついのかよ、おまえソープランドの女と付き合っているよな、先生にチクって停学にしてやろうか」
その言葉に、
「あんだとお前!」
そしてもみ合いになり、職員室に呼ばれる。職員室でも先生を殴った事もある章吾は職員からも警戒されていた。
歳のいった女先生が、章吾を見つめて、
「章吾だ、学校きやがってる」
と仲間と嫌味を言っている。
その声を聞きながら、同じ章吾の卒業を心配してくれた女先生は教材をまとめだした。