13
住民は友人の家を取り囲んだ。友人は裏口から章吾を連れて密かに逃げる。
見つからずに脱出できた。
「銀行から金おろしてこなあかんなぁ。章吾さんがここ逃げて落ち着くまで世話しようと思うけぇ」
ラプトルになった章吾と家を出た友人は他の友人に電話を入れて集まろうとしていた。
「今、章吾さんが大変な事なっとんや。皆来て、章吾さん助けてくれんか」
「おおう。ええで」
携帯で電話を入れて、友人は集まって、驚いて章吾を見る。
「これは竜?」
「章吾さんや」
章吾を助けた友人が言う。
「あの章吾さんかい?」
「そうや、章吾さんあほやけ姿を竜に変えられてしもうた。ちとバチが当たったみたいや」
「ははは・・・その姿章吾さんおもろいわ、竜ゆうて人間に戻れんのか?」
「ホントに悔い改めたら戻れるようや」
「じゃあ、章吾さん今から神さんの神社いってまいってこんか?人間に戻れるように」
それから章吾を連れて友人と近くの神社にお参りしてきた。
「章吾さんを人間に戻してください」
章吾が、「ギャア、ギャア、俺絡んだん神さまでなく悪魔みたいや」
「ほんまか。神さん違うんか」そう言って笑いあう。
そんな1日を送っていると、ある日、章吾の元に傷だらけの男が訪ねてきた。
「章吾、お前を絡んだものからことずてがある」そう言って、紙を見せる。
禁じられた場所へ行け、そこでお前は本当に悔い改めれるだろう。
「禁じられた場所とは何処にあるんだ?」
「迷い森へ行って探せ。だがあそこは国しか知らない所だ」
そう言って男は倒れる。そして死んだ。
友人宅にかくまわれていた章吾に集落の住民が気ずき出した。
「化け物がいるぞ!」
友人達は章吾と一緒に逃げる。
井戸の所で友人が水を章吾のために汲んで飲ませていると、矢が当たって友人は倒れた。
「逃げるんや」友人達は言う。
「化け物を殺せ」住民は言う。
世界は核戦争後の中世の世界。秩序もない。