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バートレットの死によりアークバードからの核ミサイルの発射は阻止できた。
管制室の喜びの声とは対照的にラリーは泣いていた。
最もしたった、バートレットの死で、核ミサイルでの首都を灰に変えるベルカの意志は彼の犠牲により阻止できた・・・。
彼こそ、内戦での最高の英雄だったよと、ラリーは呟いた。
多くの犠牲をはらった内戦も終わりを迎え、在ベルカ軍の反乱もこれで収まるだろう。
「子供にラグビー教えたかった。その言葉は伝えるよ」涙ながらにラリーはそう誓った。
その時、ラリーの横を飛んでいる仲間の機体が大きく炎上して岬に落ちていった。
1機のベルカ軍機がラリー達に現れた。
「ベルカ軍機がいるぞ」仲間はそう伝える。その戦闘機には黄色で13と書かれてあった・・・。
「白い鳥は破壊された。我軍は勝った。」と、仲間達は口々に言う。
「もう、味方軍機はいないぞ。残るベルカ軍機はあいつだけだ。引き返そう。」そう言う歓喜の中、
1つ黄色の13に味方機が落とされた。その機体が、父を堕とした機なのは、ラリーには直感的にわかった。彼はやっと13を見つけたのである・・・。
「やっと貴方に会えたな・・・」
ラリーはそれを確認したラリーは父の事を思い出していた。
「父さん・・・。」
ラリーは1時、沈黙した後、そのベルカ軍機を囲む仲間達に無線で全員に知らした。
「ラリー、ラリー・フォルク中尉だ・・・。全機10機に告ぐ、お願いがある、
いいか彼に誰も手を出すな。頼むやらせてくれ・・・。これは他の奴にはわからない。
誰も手を出すな。手を出したら俺が許さない。絶対に手をだすな・・・。」と無線ごしに言う。
「ですが、中尉・・・」
「個人的な事だよ・・・。いいから黙れ・・・」そして少し沈黙すると、
「奴は俺がやる・・・」とラリーはそれだけ言った。
その後、ラリーは父との思い出で、軍に入った時の気持ちを思い出しながら、ラリーは自分との黄色の13と、
本当の自分の中での決着のため、黄色の13に呟く。
「若き頃の事を彼は覚えているだろうか・・・」と、回想する。
父の彼は仇だ。軍に入った時の気持ちを思い出し、ラリーは、「最後の決戦といこうじゃないか。
貴方と俺の決着をつけるため・・・、いい決着をつけたい」
それは、エースのプライドでなく、自分の人生との決着だった。
これは、思想においての決着でなく、自分との決着だ。見せてくれよ。これが男のラリー・フォルクと言う人間の
生き様だよ」ラリーはそう言って、操縦桿を握りしめ、
「見せてやるさ、父を堕とした貴方とこれで、父がおとされた事は懐かしいな・・・。
まあ自分の思い出にケリをつけれる・・・。最後の勝負だ・・・」と無線越しに回想して言った。