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ハードリアン線は分かっていたが、まさかこのベルカ軍の抵抗で、。
ラリーは激しい空戦の中、「空戦にルールは無い、生きのこるか、死ぬかだ。」と、
仲間達に何度も無線で呼びかけた。
度重なる味方の懇願にラリーの考えは違ってくる。
「何としてもハードリアンを突破しよう。ここで君達戦いたかった」とラリーは言う。「たとえ全滅してもだ」
そんなラリーに仲間達の声が飛ぶ。「平和のためにここで死にます」とゆう若いパイロットも言う。
ハードリアン戦線は何とかする。敵のレーダーは高性能だ、我軍の進路を完全に捉えられる。それまでに、
一刻も早くハードリアン戦線を抜ける」」
ハードリアン戦線を抜けるのは並じゃなかった。仲間機の多くが黒煙を上げてベルカ機により落ちていく。
「ミサイルロックオン」数機のレーダーに捉えられながらも、高速から低速に変えてミサイルを振り切る。
ラリーに「ケツにつかれそうになった」と仲間達に無線でラリーに話しかける。
空は荒れ狂っていた。稲妻が走り、吹雪が立ち込める。
「言っただろう、ラリー。どうせこのままいけば全滅だろうな。それよりここで、全滅するより、南へ飛んでくれ」
仲間達が言う。ラリーは無言で理解して、
「ここで全滅をさけて、我が部隊は、ここを突破する」ラリーは、ハードリアン線を抜けて、
アルジーニに向かう事を決意する。「くそっ、さすがに突破に苦戦するな」仲間がそう言った。
「俺も一緒にいくぜ」バートレットも言う。
心強い。ラリーは操縦桿を持ち激戦の中、疲れた体でアルジーニに飛んでいた。
ベルカ軍の抵抗は激しかったが、仲間達は多くの追手を防いでいた。
「まだ、白い鳥発射まで時間はある」ラリーに管制官からの言葉がかかる。
ラリーの気持ちは今戦場にあった。をなんとしても叩く。予定どうり発射されるとは限らない。
ただ味方の情報では、白い鳥の場所も時間も特定している。今叩くのは順当だろう。
ベルカは、ディレクタスを灰にしたい奴もいるようだ。
そこまでベルカの戦争継続派は追い詰められている。国際世論を敵にしてまで、強かったベルカを取り戻したい妄想に取り憑かれているだけだ。
鼓動が聞こえる。鼓動音とともに仲間達が無線を片手に連絡したり、敵軍によりそのパイロットの機が落とされていったり、様々な戦場の事が走馬灯のように浮かんでいく、
ラリーは自分の心臓の鼓動が速く伝わってくるのを感じた、それは、ハードリアンラインを突破するにつれ、気がつけばやがてゆっくりとした鼓動になっていった。