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だが、さすがにオーレリア、エストバキアの友軍とともに、
伝統のベルカ空軍にも
歴戦のウスティオの精鋭は強かった。
戦況は、ラリーでも把握しきれなかったが、強敵の在ベルカ空軍に一心一体の攻防が続いた。
ラリーは、ベルカのレーダーの中、奮戦していた。
ラリーは経験から、動きを読み、戦況を変える事は上手かったが、
そう簡単には、さすがは、ベルカ。ラリーだけはそうはさせてもらえない。
数の多さにラリーは、歯が立たない状態だったが、味方軍の機の多さだけは、ベルカ軍を抜いている。
ラリーに神経質になっているせいか、疲れから汗が滲んできた。
「ここで、長期戦になるのが、危険だ」
友軍の声が、ラリーに無線で飛んだ。
ラリーは敵の機体を2つ落とした所で、無線を聞いた。
「なんとか、全員で突破しよう」ラリーは味方を元気ずかせようと伝える。
「ここで、君達が白い鳥発射を我々をおいて、アルジーニに飛べ、ベルカ軍に完全に伝わると、ここで君も含めて、
全滅するだろう。一刻も早く、あの化物の発射を阻止してくれ。情報がベルカに完全に漏れるまでだ。
停戦まで、持ちこたえるんだ。平和のためと出撃前誓っただろう」
仲間は言う。「追手は我々で食い止める。アルジーニに行ってくれ。頼む」
「君達を置いていけない。」
「構うな」そう言って、仲間は、無線が切れる。炎とともに友軍機は堕ちていく・・・。
そんな中、ラリーは仲間達のためにベルカ軍機を数機落としていくが、
仲間の声は真剣だった。無線にロスマンの声が響く。
「ここで、時間をとられている場は、残念ながらない」
「ここで、全滅しろと?」ラリーは言う。
「それを覚悟しろ。白い鳥発射を阻止しろ。全滅してもだ。
それが君が基地に帰ってきた条件だ」ロスマンは厳粛に言った。
「口で言うは安しですよ」バートレットは答えた。
「全滅してもだ」ロスマンは強く続けた。
「ラリー、賭けをしようじゃないか。アルジーニに行けると思うか」バートレットは答えた。
「どっちにしろ、生きていたらだ」ラリーは答えた。
「まあ、そうだ」とバートレットは戦場でも明るく答えた。