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兵士達が作戦司令室に集まっていた。
兵士達の話し声が聞こえる。
ラリーもその中にいた。ロスマンが入ってくると、作戦室は静まりかえった。
ロスマンは、一人一人の部下達の顔を確認すると、
白いボードに作戦を書きながら、述べた。
「作戦を伝える。今、アルジーニにあるアークバードのV2ミサイルが、首都ディレクタスに射程圏内に入るのを阻止するため、
アルジーニにある、アークバードの破壊をするのが任務だ。情報は掴んだ。
今、白い鳥の発射を阻止できるのは君達しかいない。停戦阻止に向けて、在ベルカ軍は、最後の賭けに出ている。
白い鳥をなんとしても食い止める。君達は、バルトライヒ山脈を越えて、
アークバードのある、アルジーニへ向かってもらう。」
仲間が質問をする。
「バルトライヒを越えるのですか?ハードリアン線は、
バルトライヒ付近の出来たばかりの対空防御施設があるだけですね。
確かにハードリアン線は完全に我軍に解放されていますが。ハードリアン線ですか?」
ロスマンが「そうだ」と答えた。
「本気ですか」と仲間が驚きの表情で答える。
「いや、最も無理のない選択を取った。
バルトライヒ付近は、相当のベルカ軍のレーダー情報網が無い。ベルカもそれを分かって、
相当の数の空軍を待機させているだろう。
だが、アークバードの発射を阻止できるのは、この航路でいくのが最善の道だと考える。
この空路なら、補給も情報網も安定している。
V2が発射されれば、ディレクタスは壊滅する。
何としても制空権を確保し、アークバードのV2ミサイル発射を阻止してくほしい」
「止めてみせます」ラリーは小声で呟いた。
会議が終わった後、ロスマンは、部下達の士気を高めるため演説をしてほしいとラリーに頼んだ。
「わかりました」とラリーは敬礼して言って、
外に出ると、自分のSu37を見つめた。