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執務室でスピルーは悩んでいた。もし仮に私の死によってディレクタスを火に包めるなら、
ベルカ軍中将として仕方ない事だ。スピルーはそう考えている。
「ぺルヴリ二ィ将軍は上層部が戦争に消極的になるのを懸念している・・・。
将軍も参謀総長を引退なされれば次の大将候補は私だろうし。
ぺルヴリ二ィ元帥も政治的影響力も強いが」
「連合軍がアルジーニに迫ってきているようですが」部下達はスピルーに伝える。
スピルーは、ベルカもこんな感じでしか強さを示せないほど国際世論は高まっているのかとスピルーは思う。そしてスピルーは部下達に、アークバード発射は予定どうり行うと述べる。
スピルーの発言にベルカ軍は行き足だっていた。
ロスマンと作戦本部の人間は、長くまで、話しあっていた。
アークバード通称白い鳥。発射まで時間がない。
アークバードは、ベルカ軍が開発した新兵器で、宇宙からの核攻撃が攻撃が可能な人工衛星兵器だ首都ディレクタスに届く距離である。
今、スピルーの狙いは、戦争継続であり、多くの混乱が多いベルカとウスティオの内戦が終わりかけた今、
スピルーを怒らすのは、脅威だと、作戦室の人間は言う。
今、怒らすといっても、スピルーは無視してV2を叩き込む狙いだろうとロスマンは見抜いていた。
ベルカが本気になれば、ウスティオもただではすまない。
この内戦を期にベルカの力を拡大させる、いや、そう簡単にはいかないだろうと思っていた。
停戦合意の時期まで持ちこたえれば、大丈夫と主張する仲間に対して、
スピルーの本気を見抜いていた。
スピルーは、ベルカにとって単なる捨て駒だ。実際の核ミサイルの発射は避けられないとの情報をロスマンは見抜く。
何としても、この戦いでアークバードの発射だけは阻止しなくては・・・。
ロスマンはうわ言のように繰り返す。
上層部はロスマンに信頼をおいてはいるが、消極的だ。それではベルカを止められない。
ロスマンはアークバードのコピー写真を何度も見て、厄介なのは確信していた。
兵士達に司令する作戦を何度も協議していたが、白い鳥が何処にあるかは長年謎だったが、
アークバードの位置がアルジー二にあると断定できたとの情報にロスマンは湧いていた。
なんとかアークバードの発射までいけば、ベルカとの停戦は確実だろう。
オーレリアも参戦して国際的にベルカは孤立化しつつある。
自分の中で、アルジーニの作戦を部下達と何度も話しあい、
作戦を練ってきた。ロスマンはアークバードを叩くのは今が適当だろう。
「ベルカの強力なレーダー網をくぐり抜けれますかね」部下がロスマンに不安そうに述べる。
ロスマンは、考えこんだ後、
「バルトライヒ山脈の近くのハードリアン線は、完全に我が方が領土だ、あそこならくぐり抜けれる。」
一人が「たしかにハードリアン線は我が方の領土ですし、たしかにあそこは簡単な対空防御施設があるだけですね・・・。
ですが、あそこを抜けると、ベルカも相当の数の空軍を待機させているはずですが・・・。あそこを通るのですか・・・」
「そうだ。だがアークバードを落すいいルートだ。アークバードを何としても叩く。白い鳥を破壊するためこの作戦に主力を投じる」ロスマンは言った。
部下の一人が、「兵士達が集まりました」
との報告を受け、ロスマンは顔を上げる。
少し疲れた。とロスマンは考え、この時期の寒さはひどいと、少し咳き込み、別の離れた話題を交わすと、
「出撃前に浮かれた連中に酒だけは飲むなとでも伝えろ」と言い、
部下とともに、兵士達に作戦内容を伝えるため、兵士達の待つ、基地の2階に階段を降りていった。