11
電話に出たラリーは少し疲れと寒さのために口がおぼつかない状態で検問の電話に出た。
ロスマンもこの内戦で大佐に昇格していた。
ロスマンが話かける。
「ラリー、別れの挨拶を忘れていたね」
ラリーは、少し寒さのため自分のコートに少しうずくまりながら、
「エルジアに行って、家族といろいろ話があるから。少佐、貴方は?」
ロスマンは言う。
「この老兵は、今、ベルカは国際秩序を破りかけている。
ベルカがウスティオから完全に撤退するために最後まで戦うつもりだ。
裏で糸をひいているのはスピルーだ。
長きにわたるベルカの圧政に終止符を打ちたい。スピルーだけは撤退はする気がないようだ。
民主主義を勝ち取った。内戦は終結した。
エストバキア・オーレリアの両連合軍が飛行場に集まっている。
ベルカ国民は戦争継続を嫌がっている。だが、スピルーだけは違う。
ベルカと来年の2月までに正式な停戦協定が結ばれるそうだ。
それまでにスピルーは、強行な軍部の戦争継続の強硬姿勢を押している。
ベルカも裏で糸を引いている物も多い。今しかV2は使えない。スピルーの味方だ。
今、アルジーニにベルカ軍の大量破壊兵器であるV2ミサイルの準備と第9航空師団等の空軍兵力を集中させているのを我が軍がキャッチした。
私は、ベルカ軍の戦争継続派の主力である第9航空師団のいる、
アルジーニでベルカ軍との最後の決着をつけるため、作戦に南へ飛ぶ連合軍を指揮する」
「第9航空師団?」ラリーは呟いた。
「君ともいろいろあったね。ラリー・・・最後に君は、内戦をともに戦えた事を感謝する。
最後にもし・・・君はウスティオの空を飛んだ一人として、アルジーニの作戦に戦いたいなら来たまえ。
サムポート飛行場だ・・・。エルジアの家族と会える事を願っているよ.。お前には翼がまだある。」
そう言ってロスマンは電話を切った。