01
目線上では、ウスティオの広大な山脈が広がっていた。
山々は雪で包まれ、日が照りつけ、日の光を反射させて雪が美しく輝いている。
ラリーはコックピットから、その風景を確認した。
風が上空のせいか激しく吹いている。もし自分が航空機の中でないとタダでは済みそうにない。
山脈の雪は今にも雪の重さに耐えかねて雪崩落ちそうな所も確認できる。
山脈は断崖絶壁だ。
ラリーは自分の最後の任務の哨戒を仲間としていた。
コックピットから景色を確認する。
「こちらラリー・フォルク。今現在の所、確認できる飛行は、
管制室で確認できるのとかわりない」
太陽の光がラリーのコックピットに差し込み、ヘルメットを付けていても少し気になる。
最後の任務は普段以上に楽な任務だった。
ラリーは任務より、今まで好きなの空の思い出を回想していた。
ラリーは高度計に目をやり、機首の向きを変える。燃料計に目を移す。
「燃料は少ない。高度5000フィート。計器に以上なし、
現在の所は機影は確認できない。以上ナシ。いい空だ。
俺が飛んだ中でもとてもいい。ここからの映像をビデオテープにでも収めたいな。
ローレ山脈の上空を移動中」
仲間の一人が、
「中尉も久々に機嫌がいいですね」と別の仲間と呟く。
「俺も軍を引退して、実家に帰れるからな」
「軍を辞めたらどうします?」
「給料は下がるだろうが、なんとかやっていくさ。軍生活は息が詰まる」
そう言いながらラリーは操縦桿を握る。
「こうゆう日の中尉は好きですよ」と仲間がA42PEをラリーのコッピットの真横に付けて、
ラリーを見ながら言う。
「退役の日に飯をたくさんおごってやるよ」
そうのこうのする内にいい空はどんより曇ってきた。
ラリーは燃料計を確認して、
「レーダーに以上はないか?なければ帰還する」と呟いた。