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ラリーは中尉に昇格してから、
いろいろと基地の軍について口出しするようになった。
軍の若い士官への上官の態度に注意したり、基地のいろいろな事を言う事も多くなった。
だがとりわけ軍の若い士官には、ラリーは人気があった。
ラリーの戦場での活躍を聞くのは、士官達に人気があり、ラリーも自分の自慢話をよくしていた。
揉め事が多くなったが、それを影ながらそれをいつもまとめてくれるのは、
バートレットだった。
ラリーはそれに応じて、ますます口をたたくようになっていた。
ロッカールームで仕官が揉め事を起こした時、
ラリーは仲裁にはいる。
騒ぎはそれでも止めれない時、
バートレットが止めてくれた。
いつしかバートレットとの仲間内で派閥のようないざこざも増えていった。
ラリーはそれを嫌い、最近、部屋にこもり、一人で過ごす時間も増えていった。
そうゆう軍のやり方に疑問をもち続けていた。
ある日ラリーは士官達と朝早くから馬鹿騒ぎをしていた。
そして、戦闘機の格納庫で、
仲間の一人の戦闘機の一つが、
ラリーの火の不始末が原因で、
ガスの漏れで、爆発して、火災を起こす騒ぎが起きた。
火は格納庫から車庫に燃え移ろうかの勢いだった。
仲間の一人が、
上官に報告して、上官が見にきた。
「早く火を消せ。このままだと他の格納庫に燃え移る。
消防には連絡したか?」
「要請しました。ただ、ここは道路が完全に整備されていませんから
、時間がかかっているようです」
仲間の一人が消火器をもって勢いよく消化器をはなった。
勢いに前のめりの状態だ。
仲間が水道の水から水をいっぱいにして、
火にバケツで水をかける。
「このままいくと、車庫に燃え移るのは時間の問題だ」と必死に仲間は言う。
仲間の一人が、炎を止めようとして、
火の勢いに負けて、火が燃え移り、火だるまになった。
「ブロックス!」と、ラリーは仲間の名前を叫んだ。
「火の回りが速い。まだ、消防車は到着しないのかよ」
「ブロックスが大変だ」
火だるまになったブロックスは、体を転がりまわった。
「今、水をぶっかけてやるからな!全員格納庫から離れろ!」
ラリーはブロックスにありったけのバケツの入った水をかけた。
ブロックスは、ひどい火傷で、うめき声をあげた。
「助けて・・・」ブロックスの意識が遠のく。
ラリーはブロックスを抱きしめた。
「死ぬな!」
その時サイレン音とともに応援の消防車が着いた。
「他にけが人はいますか」降りてきた歳の消防官の一人がラリーを見て言う。
「火にまかれた奴はこいつ一人だ」
「凄い火災だな。滅多にはおめにかかれないよ」消防官の一人は言った。
火災の原因を消防官に詳しく仲間が話す。
「軍の仲間が、朝から馬鹿騒ぎをやっていて、詳しい原因は解らないです」と言っている。
消防官の一人が、格納庫からの道に液体がたれているのを確認し、火災の原因はガソリンだな。
と説明する。
火災はみるみる勢いを増し、車庫に燃え広がった。
「どいてくれ、けが人が通るぞ」
消防車とともにきた、救急車が担架でブロックスを運んだ。
「皆、車庫から離れろ、爆発するかもしれない。危険だ」
上官が、消化に時間がかかるか、聞いている。
「別のガソリンに引火しないか、危険だ」
そのまま、数十分火は燃えて、
消し止めた時は後の祭りの状況に近かった。