18
ティムは、仕事がすんでバーで仲間の一人と飲んでいた。
「シャンパンを持て。今日は非常に飲みたい」
とりとめの無い話を続き、少し酔いが回ると、
仲間の一人が肩を叩き、言う。
「僕の友人のベルカの友人が捕まった。その事を別の新聞社の一人が友人の農作業の手伝いをしていた時、
その新聞社の人間が訪れて聞いた。記事にしたいようだ」
少し仲間は酔いながら、眼鏡を触り、言う。
「それが、君の知合いのその友人だとゆう証拠はあるのか?」
「まだ詳しい事はわかっていないが、おそらくそうだろう。
僕は今回の本でその友人からの情報を大いにいれて出版した」
「君の仕事については何も言わないよ、ティム。ここは反政府地区だからいいが、いつまでも反政府でいられるかも考えるべきだ。
もし戦争が終わったら、君もその友人のようにならないかもしれないんだ。上の連中も君の過激な記事に
懸念の意思を浮かべている。これからの身の振り方も考えるべきじゃないか。
もし終わると、つまり多くのジャーナリストが投獄される可能性も考えられるんだよ。
自分の心配をもっとしていたらどうか」その仲間が真剣に言う。
それほど恐いんだ。ベルカを味方につけた政府軍の力は。ウスティオはベルカに飲み込まれる。
そこまでベルカは凄いんだ。考えればどうか?」
ティムは一息、ため息をつくと、
「それより、娘さんとうまくいっているか?」とティムは話をまぎらわした。
「ああ」と、そんな質問に仲間はそう言った。
「また、良く行く店に一緒に食事でもいきたいものだな。店の食事は美味しい。僕が頼んでない食事は、
ミンチローストだけだ。食べに行きたい」
「話をそらすなよ。大変だと言っているだけだよ」と仲間は言う。
「俺だってそんな事ぐらいはわかっている。ベルカの事は昔から良く知っている。
子供の頃からさ。その前も。元々僕もベルカ人だからね。でもまだ、終わっちゃいないよ」とティムは軽く答えた。
週末にティムはその新聞社を訪ねると、どこの住所か忘れずにメモをとった。