13
その後、ティムは、過去の新聞を読みふけった。
自分はまだ、若造だ、参考にしたい新聞記事を集めていた。
今度の記事の仕事は、自分にとっても、ウスティオにとっても重要な事になるだろう。
新聞記事の他にこの内戦においての本の出版を考え、そちらが大変だった。
自分もこの戦いに加わった一員として、
自分の記事が人達の気持ち、いや、ベルカにとっても大切な事柄に
なるよう、考えていきたい。
ティムは、そう考え、自分の仕事に熱中した。
夕方頃、仕事に疲れて、冷凍のコーンスープのレトルトを温めて、
飲み干した後、外の空気を吸おうと外に出る。
コオロギの声だろうか?
虫の声が聞こえる。
とても落ち着いた、静かな夜だ。
音楽が聞こえる。何の曲か気になり、
その曲が聞こえる方へ行ってみた。明かりが灯り、
少年達が、木製のギターやクラリネット等の楽器のクラシック曲を弾いていて、
あまり有名ではないバンドだろうが、曲が感じがよく、
疲労して、張り詰めた気持ちを楽にさせた。周りには、多くの観衆がおり、
演奏が終わると拍手がおこった。近くのちょっとした祭りである。ハムを焼いた物やチキン等をたくさん販売していた。
ティムは、チキンを買い、ほうばると、演奏が終わると、
ティムもあわせて拍手した。
内戦の中、人々のよき姿だった。
本が小さいながらも好評だったせいで、
同僚が、仕事帰りにティムを祝ってくれた。
クラッカーを鳴らして、喜んでくれた。
君の本を読んだと多くの手紙がティムのディスクに山積みされた。
「おめでとう」
同僚達が、ティムを祝った。
ティムは、送ってきた手紙の返信をディスクで毎日休みなく書いた。
自分がこの内戦に貢献できたかは必ずしも全てではなかったが、
ティムのような従軍記者からのような戦争の情報を書いていた、
本がなかったためか、多く売れた。
仕事を終えて、その日ホテルに向かった。
仕事を終え、その足でホテルに宿泊した。その日は雑用のせいか非常に疲れていて、
ホテルの部屋にいくと白のベッドに飛び込んで、そのまま2・3時間眠った。
10時を過ぎたろうか、ティムは大きな物音で突然目を覚ました。
誰かが、部屋の扉を引っ掻いているのだろうか?
不思議に思い、ドアに向かい開けたが、誰か若者が通路を走ってどこかへいなくなっていた。
ティムは、「なんだいたずらか・・・」と思い、少しは疲れたな・・・と思う。
その日はいつもより2倍以上疲れていた。その中、ティムはバスルームでシャワーをあびようと、
蛇口をひねり、温度を調節して、温かいシャワーをあびて、
疲れを癒していた。
体を癒した後、もう一度ドアの所に出て誰かが、自分の部屋のドアに書かれた言葉を確認した。
ベルカ人は死ね
書いたのは若者だろうか、赤いスプレーで描かれていた。
誰が書いたかはわからなかったが、
自分はもっと内戦の事を軍に止められず、
自由な認識を持って欲しいとの認識を強めた。
これも、一つの戦争なのだろう。
ティムは、その言葉が書かれた、ドアを写真に収めた。
ティムは、図書館に足を運び、この戦争とベルカについての資料を読みあさった。
多くの時間を図書館でついやしたが、
そのうち図書館での仕事に疲れて、図書館のフロアの大きなソファーにもたれて、
そのまま、疲れから、彼に睡魔が襲い閉館まで眠ってしまった。
起こしてくれたのは、図書館の警備員で、その日はそれで帰り、次の日もあしげなく通った。
そして新聞社のデスクで、戦争についての意見や体験。戦争で撮った写真の多くを
貼り付けていった。残業と家での仕事で熱心なティムの姿に心を打たれた後輩も多くいた。
この本が公平に判断され、真の正義にもとずくよう心を込めた。
ウスティオはもともとベルカだった。ベルカも心同じくしている人間もいる。
青年時代をベルカで過ごした、いきさつも一つ一つ載せた。
ティムの記事は、新聞に発表された。他の記事は多くはカットされるのが普通だが、
上司がひどい反ベルカ思想だったため意外に載せる事に成功した。
その4ヶ月後、本も出版された。これはカットされず直接に載った。
最初は、本は売れなかったが、しばらくしていくと、本は、反政府の一員の気を引き、
その中での、ベルカ人の記述は、多くの人々の感想を誘った。内戦への疲れや政治的不満等が
重なって、ティムの本は売れだした