06
任務を終えた、ラリーは、バートレットの家に招待された。
その日、バートレットを車に乗せて、家まで送っていた。
緑の平野を超えると丘があり、そこにバートレットの家が一つたたずんでいる。車で走っていて、バートレットが話すのは、基地の事、任務の事、出てくるのは戦争の話ばかりでラリー少し疲れていた。バートレットの問いもただあいずちを車の中でとるだけであった。
家までバートレットを送っていた後、家の前の広い駐車場のスペースまで車を止め、
二人ともひと段落した後、ラリーは息をなでおろした。
「戦争が終わったら何しようかな?」
「さあ、考えてません」
周りが畑に覆われた、家に着くと、空腹のラリーにバートレットは、気を利かせて言った。
「家で、少しやすまないか?ニートローフをおごってやるよ」バートレットは気を利かせて言った。
「ありがとう。大尉」そう言って家の玄関の扉を開けた。
バートレットの妻が、ラリーを出迎えてくれた。
大柄なお人よし風の女方である。
付き合いは、長い。
「ラリーフォルクは今や、ウスティオの名パイロットだ。航空機の操縦にかけては、
エリート中のエリートだ。あの、最初会った時は、小僧だったのにな」
「貴方は、何処生まれ?」バートレットの妻が聞いてきた。
「ビレンチアの田舎です。そう言えば、まだ出身を教えてませんでしたね」
「最近は、夫は戦争の話ばかりでいいニュースがないわ」
「まあ、いい話題をしたいが、俺も軍人だからな」と頭をかきながらバートレットは言う。
砂塵を巻きながら一台のトラックが家の前を通った。
TVには、政府軍の地域だから、戦争が有利に進んでいると報じられている。
「ニートローフの調味料の胡椒をあの棚から取ってくれない?」と妻が言う。
「どの棚ですか?」とラリー。
「一番左の棚」
ラリーは、棚を見回したけど、よくわからなかった。
「ごめんなさい。わからない」
「ああ、じゃあ私がとるわ」妻は今度は棚を指さしながら、自分で食器を取った。
ラリーはソファーに腰掛けた。
「ゆっくりしていってくれ」とバートレットが言った。「お前車の整備の資格をもっているんだってな」と、バートレットが言う。
「まあ一応」整備工の資格は、軍に入る前にラリーが勉強してとった資格だった。
「工具はあるんだが、今の工具でなんとか車を見てくれないかな?
こう車が動かせないとなるとふじゅうでいけない」とバートレットは、厄介そうに言う。
「どの車?」とラリーが多くある、様々な車がある、駐車場を見渡して言った。どの車も色が綺麗だ。
「今、駐車場のガレージに置いてるやつだよ」バートレットは、
駐車場のガレージに置いてある車を指差して言った。
ラリーはその車の近くに行き、エンジンに工具入れから、線をエンジンに繋いで、を何度もエンジンをかけた。
「大分、動かしてないせいだ。少し部品が錆びてるだけです。油をさせば使えますよ」と言った。
ラリーが駐車場で車うを見ている間、バートレットの家では、
そのうち、ニートローフが出来た。熱々の肉を丸ごと煮込んで、作った物だ。
ラリーが車を修理している時に、バートレット夫人が、
ラリーをミートローフとコーンスープが出来たと言って、ラリーを手招きした。
「普段なら、食事なんて迷惑な事は頼まないけれど、こんな美味そうだと、嬉しいな」とラリーは笑って言う。
そして、ラリーが席につくと、熱々のミートローフを丁寧にバートレットの妻が切り分けて、皿に出した。
ラリーは別のスープと一緒にナイフとフォークで口に放り込んだ。
バートレットの息子が時々ラリーにいたずらをしてくる。
ラリーは子供に、「面白い奴だな。悪ガキの素質あるぞ」と言う。
ニートローフを腹一杯食べた後、ラリーとバートレットは外で話していた。
バートレットの子供が外で友達と遊んでいた。バートレットは、
友達と遊んでいるバートレットの子供をときおり子供に何か言って見つめている。
バートレットにラリーは言う。
「もう、何歳になりますか?」とラリーが聞くと、
「今年で7歳になる」とバートレットの表情は真剣になり、自分の子供を熱い眼差しで見て言った。目線の先には、幼い息子の笑顔があった。
そう言った後、バートレットは、
「あいつにラグビー教えるの俺の夢なんだけどな・・・」と呟いた。
ラリーはその視線の先の男の子を見つめた。
「なあラリーお願いがある」
「なんですか?」
「もし俺が戦争で何かあった時は、息子が成人するまでいい友人でいてやってくれないかな」
ラリーは顔を少し変えて、
「何かあったらって、大尉は大丈夫ですよ」
バートレットは、
「俺は常に前線を任されている、お前はいい奴だ。最初はあんなに仲が悪かった、
今は俺の友人で一番お前は頼れる」続けて、
「いいかい?」と言う。
ラリーは、
「その時は構いません」ラリーは言った。
「嫁が別の旦那を見つけるまでだよ、いい友人でいてくれ」と言った。