25
そんな事を思いながら、ラリーはうとうとしてきた。
同じ部屋で飼っている猫に食事をやり、自分はベッドに横になり、天井を見上げた。
そのまま彼は眠ってしまった。
そんな事をしているうちに、半年の月日が流れていた。
ラリーは、港にある、魚市場に基地のコックの人と一緒に新鮮な魚介類を買出しに行った。
ロールスロイスを降りて、市場に着くと、一緒に来た、調理師は言う、
「ラリーが飯を食べたいって、俺達もかりだすのは訳があるのかい?」
「急に魚が食べたくなってな。この市場で売っている魚は新鮮なのが多いと聞いて、調理してクリスマスに食事で仲間におごってやりたいんだ」ラリーは嬉しそうに言った。
「いい魚は多いよ。よくこの市場の魚を出しているから、解る」
港は、暗くなりながら、活気に満ちていた。
多くの人が、魚のひっきりなしの品出しをしている。
ホースで水をひっきりなしにコンクリートの床に流していて、
新鮮な水揚げしたばかりの鰯や鮪や鮭や貝やエビ等をたくさん売っていた。
「へえ。今すぐかぶりつきたいな。腹が減っている。
美味い物ばかりじゃないか」
取ってきたばかりの魚を市場の人間が値段をつけていて、
「何キロだ」と男達の話し声が聞こえる。
雇いの人が、市場の物の1つ1つの物を綺麗に拭いていて、
数人の男が、よく切れる包丁で魚の内蔵を取り出して、血を抜き、綺麗に調理している。
市場は、蛍光灯が多くついていて、
明るく、市場の鮮魚の人間がうるさく寄ってくる虫を退けるため、
ホースで魚にいっぱい水をかけていた。
蛍光灯に虫が、集まりやすいせいか、蛍光灯にネットを張っているのが見える。
港の人間が、水揚げしたての多くの魚を市場でさばいている。男が保存用の氷を沢山、白い発泡スチロールの箱に詰めていた。
血抜きをした後、肝臓なんかをさばいている。
ラリーはそれを見て、「新鮮な魚かい?」と興味ありげに言った。
魚市場の女が、「美味いかどうかは、一番食べてみりゃわかるよ」と言って、
肝臓とかをのけた魚を、「どれ試しに食べてみるかい?あんたがいいならさばいてあげるよ」と言った。
ラリーは、「ああ。ほしいな」と言う。
女は、魚をさばいた後、塩を振りかけて、「さあ、これを食べて。ここの魚のよさがわかるよ」といって、差し出した。塩の焼けたいい匂いが、ラリーの鼻をくすぶる。
ラリーは、礼を言うと、その魚にかぶりついた。
「ああ。美味い。確かに美味しいよ」
「俺にも一つほしいな」と、調理士の男も2、3切れもらって食べた。
「クリスマスの食材にはもってこいの美味さだと思うよ」と言った。
「仲間に美味しい奴をあげたいな」言うと、
「この魚が欲しい。この魚を4つくれ、それと、あのアジとマグロも、そして、ホタテとカニがほしいな」