02
ラリーは、基地の自分の部屋で眠っていた。
目覚ましが鳴り、ベッドで目を覚ました。眠たかったが、
時計を確認して、少し横になる。
「時間だ」
そのまま、部屋のかたずけをしていると、
数日前に無くしていた、大切にしていた父との写真が出てきた。
写真を見て、
ラリーは少し思い出を思い出していた。
父が退役になる日、父がラリーを自分の飛行場に誘ってくれて、見学させてくれていた。
幼く、ラリーは多くの兵士達に可愛がられていた。
当時は、ベルカ戦争の真っ只中で、父の反対の中、
幼かったラリーが父の軍人の様子を見たいと幼心に駄々をこねたから、
父が、笑って、ラリーは学校を休んで基地を見学させてくれた。
ティムは幼く、見学しに行ったのはラリーだけだった。
父の軍の自慢話に、父は当時の自分の憧れだった。
飛行場は、見通しのよい、日当たりが綺麗だったのを記憶に覚えている。
飛行場を散歩していると、突然、警報が鳴り出したのを覚えている。
「北ベルカ軍の新米パイロットの第9航空師団(黄色中隊)の集まりが、
飛行場を落とそうと来てやがる」との話しを思い出す。
父は、ラリーを確認すると、同僚の仲間に「こいつの面倒を見てやってくれ」と言い残し、
飛び立った。
その数十分後、父の姿を確認し、父は敵機を相手にしていた。
数はそんな多くはない。ここは大丈夫だと父の仲間がラリーを落ち着かせたのを覚えている。
ただの威嚇といった所だろう。と口々に言っていた。
敵を落とした父の機体は少ない敵を落としたが、やがて、その父の機体は一瞬で炎に包まれ、
クルクルと周りながら、落ちていったのが見えた。、
その父を落とした戦果を確認して去っていく機体に黄色で13と書かれていたのを今でもはっきりと覚えている・・・。
その日から俺は戦争を憎んだ・・・。父への自分の罪滅ぼしだったのかもしれない・・・。軍に入った。
その内、政治を戦争が解決すると思い込んだ。
朝焼けの中、朝焼けに満ちた空に飛びたとうとしていた。
ガレージに朝わからないように向かった。倉庫に練習機はある。
ガレージに急ぎ、暗く光りに当たっていない所に練習機はあった。暗がりの機体を少し撫でた。
たまたま倉庫を見回りに来た歳のいった整備員が声をかけた。
「練習機を動かすのか?」
「ああ」
「また管制官に奴に怒鳴られるぞ」
「うまく言っておいてほしい」
兄はそう言うと機体に乗り込んだ。エンジンをかけ飛び立つ機体。
それを見て、サングラス姿の管制官は朝のコーヒーを片手に口に入れながら、
「いつもの奴か」と答えた。
管制官が気をきかせて、ポップミュージックをかけてくれた。
兄はそれを聞きながら、高度をあげて何も見えない程の雲の上に出た。
そしてコックピットから朝日を見届けていた。
あの光を見ていると自分も馬鹿らしくなる。そう思いながら、兄の機体は飛びつ続けていた。あと長くはこうしていたい・・・そのまま空中から雲海の景色を眺めていた。雲はとても濃く、機体を覆い隠していた。