09
兄の名は、ラリー
ラリーは軍にはいって、軍の仕事をしていた。ラリーは訓練飛行が終われば、軍の知り合いと旅行の予定をしていた。
訓練飛行の日に、
「訓練飛行に配属になった、ラリーフォルクです」
「お前がラリー・フォルクか」
ラリーに声をかけた大柄の男は、
「大尉のバートレットだ」
男は言う。バートレットはそう言うと、基地の時計を確認して、全員に、
「空軍の上から、訓練飛行の任務についての説明がある。2時に基地の教室に集合してくれ」
バートレットは言った。
その日、ドアをノックする音が聞こえ、上官の一人が多くの政府軍の兵達がいる部屋に出た。
部屋の空気は緊張していた。天井にはシーリングファンが休みなく回っていてた。部屋に入ってきた、歳は50くらいだろうか、白髪の上官が、
パイロット達に、
「少佐のロスマンだ」
と男は自己紹介をして、黒板にチョークで基地のロスマン少佐が今回の任務について、チョークで黒板に任務の詳細を書きながら伝えた。兵達は皆、席に座っていて、少佐の言葉を聞いていた。ラリーだけ少し遅刻してきたのだ。ラリーは少佐の目に入らないよう、少しかがみながら部屋の椅子についた。任務は外務省高官を乗せた飛行機の護衛である。
ロスマン少佐は兵達のプロフィールの資料を1枚1枚めくりながら言った。
「この中で実戦経験のあるパイロットは何人いる?」兵達は顔を見合わせ、
「実務経験は、ベイカー、ロイブラウ、あと・・・数人です」と言った。
「今回の任務は高官のエルジア訪問により、「仮にも外交的に緊張しているベルカの上空を飛ぶわけだから、万が一の場合もある。ぜひ、優秀なパイロットをお願いしたいとの政府からの要請だ。
ぜひ、君達もウスティオを代表しているのだから、優秀な人物を選びたい」
「かりにも実戦経験が必要なのはわかりますが、それほどベルカとの緊張はあるのですか?」仲間はロスマンに不安そうに述べた。「君達は、それでもこれからを担えるか?それぐらいの政治の理解ぐらいはしておくべきだと思うがね」とロスマンは言う。
「それくらいの事は分かります。ただ、普通の状態だはないのかと言う事だけ、ただ、不安で」と言った。「まだ、他にいないか?」
ロスマン少佐の目に一瞬、目が合い、ラリーはその目をそらした
。
「そこの右から3番目の席の若い奴、遅れてきた奴だ、実戦経験はあるか?」
その瞬間、やっちまった・・・と苦くラリーはそんな顔をした後、
「はい・・・]と答えた。
「名前は?」と、ロスマン少佐が聞いた。
「ラリー、ラリー・フォルク少尉です。」と兄は短く答えた。
少佐は経歴を読みながら、
「自由ウスティオ軍に元所属していた?」と確認すると
ラリーは「ガキの頃です・・・」と答えた。
「飛行経験は長いな・・・」と少佐は言う。
「ラリーはこの中で、最も優秀なパイロットです」と皆は言う。
「練習機の訓練ではね」バートレットは口をはさむ。
成績も優秀だし、飛行経験も長いな。と少佐は思う。
ただ、こんな元ゲリラじみた奴は、と思ったが、
その眼差しの緊張から、ただ者ではないと感じたか、
「君も今回の高官の護衛機についてほしい」と言った後、
「では、今日は以上だ、解散」とその場を離れた。
ラリーは、
「参ったな・・・」
と頭を抱え、苦虫を噛み潰した表情を見せた。
ラリーが飛行場にいる時、先輩の友人の一人が、
「ラリー、今回の任務の一人に選ばれおめでとう」と言った。
「ばか、言うな。複雑だよな、久々の休暇だったのによ、参っちまったよ」と、
苦笑いでこぼす。
「これで、旅行は無理だな」と仲間の一人がラリーをからかった。
ラリーは少し苦笑した。