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信長の横暴は日に日にエスカレートしていた。時空転移装置を完成させ、21世紀に行こうと画策する中、
光秀は京の館で細川家の重臣と対面していた。
「信長の横暴はエスカレートしていくばかりだ。このままではいけない。」
「ここだけの話だ。次は天下を脅かす。もう信長を止めれる者はいない」
光秀は黙って一言「そうか」と言って、席を立つ。秀吉は中国攻めが近ずいている矢先、秀吉の下に情報がはいる。
「明智光秀殿は最近の信長候の動きに危機を感じている」
近徳は厚の屋敷に招かれた。
酒が回ってきた頃、21世紀いた頃の思い出を語りながら、
「今度、寺で披露する、自分の句について考えている。これはどうかな」と言う。
時はいま 雨がしたしる 五月かな と俊介は句を詠む。
これは明智光秀は院徳寺の茶会で信長の反旗を誓ったとされる句だ・・・。近徳は思う。
「厚、お前もしかして天下を・・・」
「言うな!」俊介は言う。
それから、言いにくそうに俊介は、
「この世界を見て思ったんだ、この時代は21世紀と違い、良さはたくさんある。
21世紀を見てみろ、資本家に支配され、腐った世の中・・・。誰もいい人生なんて無理さ、帰りたいか。
俊介は「良き時代なんて21世紀ではできない。革命や内戦なんておきない。皆、毎日を言われたとおり、なんとなく生きているだけだ。
もう文明なんて21世紀、限界にきているだろう。長きにつれ腐敗した世を、俺はこの時代から建て直し、俺は新しき世を作る。人間のなし得る事のできない本当の良き世界。そのためなら、近徳さん、お前も斬るぞ。
革命も無理だ。俺は新しい世界を作る。これが俺がこの時代に来た役目だと思うんだ。」
近徳は言う、
「自分らだけで作れるとは思わないが」
「それをするんだ」俊介は言う。
「その人の実力があるかないかの問題だと思うんだ。俺にはこうなったなら権利はあるはずだ」
「厚・・・」
「時空転換装置も信長から奪う必要がある」
「内緒で21世紀に帰ろう」
「それは信長が生きているうちは厳しい。
はは・・・それに21世紀に戻っても、俺達は学者のいい研究材料さ」
近徳は、黙っていた。
信長の暴走を裏で止めてきた秀吉だったが、数ヵ月後、 信長に攻められる光秀の隠居を申し出る。だが信長はそれを聞きいれなかった。
秀吉はそのまま中国攻めに向かう。
「本能寺の変は6月2日だな」近徳は思う。
近徳は中国攻めに向かう秀吉に手紙をしたためていた。
光秀殿、謀反の動きあり、
時期は6月2日
警戒なされよ
それを雇いの者が秀吉の屋敷で子供と遊んでいる秀吉に持っていく。
秀吉はその手紙を受け取るとあまり気にせず、子供の相手をしていた。
そして信長が本能寺に向かう事を知った、光秀は、
館での夜、
神仏の像に祈りを捧げた光秀は刀を抜き、信長への謀反を誓う。
光秀の軍は京に向かっていた。
道が違うぞ
兵士は言う。川に差し掛かった時に俊介は高らかに言う。
「敵は本能寺にあり」
軍は京の本能寺に雪崩のように向かった。