01
「経済とゆうのはこうゆう物なのです」
教授は白い黒板にペンで書きながら説明していた。
バイトで疲れていた敦はあくびをした。
「今日もバイトか」
近徳は大学に2度試験に落ちて、やっとはいった、経済学部の講義だったが、
最近は勉強に力がはいらず、テストの点も悪かった。
「講義終了の時間ですね」
教授は言った。
多くの人が退席する中、教授は敦に、
「近徳君は講義が終わったら、僕の部屋に来るように」と言われた。
近徳はどうゆう事か考えながら、教授の元に行く。
「近徳君、君の成績では大変だよ。勉強をもっとしたほうがいい」
「すいません。ホント僕も一人暮らしで、生活を維持するため、バイトの時間があるから勉強時間がないのです」
「最初の頃は勉強がんばっていたのになぁ」
近徳は教授に頭を下げて、単位をもらっている日々。講義が終われば、バイトの前に小学校時代からやっている大学の剣道部の部活だ。
「いくぞ〜厚」
「面!」
竹刀が近徳の面をとらえる。厚は負けたと面を外す。
「お前最近部活休みがちだろ。世界大会行くんだろ」
面を外したのは、高校時代からの剣道部の同級生の厚だ。
大学には先に入っていて、1学年上の先輩だが同期。
近徳は高校時代から全国大会で剣道で何度も優勝していて、世界剣道選手権大会にも選ばれ、世界大会の優勝候補で剣道の天才と評判で、剣道界では雑誌にもとり上げられており、有名で機動隊への就職も決まっていて、剣道では彼に勝てる奴はいない程の実績の持ち主。
厚は、近徳に
「お前、剣道の世界大会いくんだって?」
「ああ。日本代表に選ばれたんだ」
「すっげぇ〜」
「お前も全国大会いくんだろ。子供の頃からの夢だったよな。俺達。お前、剣道一筋だったよな」
「ああ。でも生活費のため仕送りだけじゃきつくて。子供時代から俺は剣道一筋だったから・・・夢だったんだ。それが叶った」
「それでも部活来いよ。今しかないだろ」
「ああ」
厚はたてまえで言う。近徳は、
「このまま練習しないと、お前とは学生時代のライバルだったからな」
「よかったなぁ高校時代」
と厚もそんな事を語る。
「それと今度の文化祭に出展するものは決めたのかよ」
「大学のバンドがライブするみたいだな」
「お前も考えろよ」
近徳はバイトを終えて、帰宅して好きなメモリーゲームの電源を入れた。
メモリーゲームとゆうのは、自分の記憶をコンピューターにインストールして、
コンピュターの世界にいけるゲームで、
近徳ははまっていた。そのまま家の天井を見上げると、
「あ〜あ面白くないな、毎日も。最近やる気が出ない」
近徳はそう思う。