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「コーヒー置いとくから」結衣は言った。
もともとそんな愛情のある結婚ではなかったのは事実だ。
子供なんかつくって
実際、望んでいたのは生活力、結婚して早くもだ。
「話があるの」
「なんだよ」夫は答えた。
エリート系の夫と自分もそうならなきゃいけない先入観とでも言うだろうか、そんな感覚でやってきた。
新婚旅行はハワイ、そんな新婚時代の人生の勝ち組なんてもう一昔前なのか。
夫の為なら何でもしてきた。愛のあったのも、もうブランドでしかない。
「バカみたいな話ならしないで」
もう2ヶ月も話のない毎日。
「最近、貴方の携帯に女の子がかかってくるのはなんでかな〜」
夫は半分無視。
「調べました。不倫でしょ」
「ああ、してるよ」夫ははっきりそう言った。
「私、いつか言わないといけないと思っていたんだ・・・。こんな事はしたくなかったんだけど・・・。」
結衣は不倫相手の写真を見せた。
「付けてたのかよ、俺の事」
「知り合いに頼んで」
夫は言う「飽きたよこの生活、早い時期だし、いいんじゃないか。ごめん、初めて会ってから、僕の勢いで結婚したけど、色々と考えてなかったよ。」
「愛してるのこの娘の事?」
「愛してる。自分に合って、ユーモアもあるしはっきりいって君より好きだ、本人も結婚を望んでいる。ダラダラといくより、いい加減、けじめと
ゆうか」
「家も、経済面で余裕があるから、新婚で中古の家買ったけど。彼女を愛している」
それを聞いて、少し結衣は考えて、少し壁のほうに顔をそらして瞳を拭って、
「あ〜あこの生活ともお別れか」と呟いて、
「分かった。」と結衣は言った。