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3月5日、町は久々の大雨につつまれていた。夕闇をかくし
街行く人は時間に追われていた。
雨は町いく人のざわつく声をすべてかきけしていて、
そんな中僕はスマホをを片手に6時の地下鉄におくれないよう雨の中を
急いでいた。
地下鉄の切符を買う、いつもどうりではない慌てぶりだったが、駅のホームで
腕時計で時折時間を確認していた
周りはプラットホームで時間潰しにスマホをいじっている若者や
バッグを片手に会話している中年女性が目につく
地下鉄の駅の古くなり、大雨の水が駅の少し割れている所から、少しの水滴が線路にしたしたと落ちていた。線路の一部は改装工事をしていた。
地下鉄の雰囲気はざわついていた。大雨は、駅員の神経をいつになくピリピリさせているようだ。いつもならこの時間帯は、仕事帰りの会社員で一杯だが、雨のせいだろうか、今日はすっきりとしていた。階段を下り、いつも以上に疲れた足どりで自分は薄いライトに照らされた地下鉄のホームの椅子に腰を下ろした。
雨に濡れている衣服の水を取り、乾かそうと、濡れた傘から水を落とし自分の座る椅子の横に置いた。やっと少し気持ちは落ち着いた。ホームには、次の電車の到着の時間の何線かの表示や、TVのCMが流れていて、CMの内容は、オーボエの演奏の後、人気バンドの今年のヒット音楽がかかっている。
僕はそれを見ながら、手に付けている腕時計の時間をもう一度確かめた。
僕は警察である。地元の高校を卒業し、警察の仕事についた。毎日が面白い訳でもない。電車が来ると、僕は早めに地下鉄に乗り込んだ。ウォークマンを聞きながら揺れる車内で窓から見える景色を眺めながら、このまま家に帰ろうか。それともこの雨がマシになるまで何処かで時間でも潰そうかなんて、考えていた。
電車を乗りつぎ、疲れから浮かない表情。そのうち駅にたどり着いた。人通りのない地下鉄を下り、地下道を出て雨の町並みに出ると、雨に混じり、風を遮り傘を持って急ぎ足の人間が目につく。僕は家路を急いでいた。その中、雨により気付かなかったせいか携帯に留守電のメッセージがはいっているのに気がついた。
通りには、いかにもアメリカンのデザインの外国人のモデルの広告が目に付くショップが立ち並んでいて、そこを通りこした後のセンター街に通る道を伝って、角のレストランを通り、飲食店のある酒瓶が道に置いてある人通りのない町の雨のしたたり落ちてない角で一度体を休めた。