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ファミレスで結衣は足を止めた。履歴書を書いて、仕事を探していた。
最近は友人とも連絡はとらず、もっぱら就職活動。
ファミレスのテーブルで食事も頼まず、ただ水を飲んでずっと考え事をしている。その姿を見て、背広姿の男が話しかけてきた。
「今、時間あります?」
「ありますが、何でしょうか?」
男は名刺を差し出した。
芸能事務所サンライズ 三浦賢治
と、書かれている。
「関心はありますか?」
少し状況を把握するのに時間がかかる。
「名前と電話番号教えてほしいな。」
初めの頃は無視しようとしたが、彼の弁舌は止まらなかった。
そのうち、そんな事考えたこともなかったが、
「美人ですし?仕事は?」
「今探している所」
「芸能関係の仕事に関心はありませんか?」
「ないけど」
「いい仕事たくさんありますよ」
「どうせ風俗業界じゃない」
「お金ないんでしょう」
「私、結構堅実な人間だから。東京来て早いんだよね」
そう言う、でもこんな誘い初めて、資格も取って堅実にいきたかったが、
個人的に振り向いてほしくて、
「じゃあまた関心あると連絡する」
と結衣は言った。その夜、風呂に入ってバスルームで髪をタオルで乾かしていて、
あの男の名刺を見る。
芸能人か・・・少し遊んでみようかな・・・
結衣は思う。当たりはずれは大きいけど、こんなチャンス滅多にないし、
少しの間ならしてみようかな・・・
なんて思いだしだ。テレビで出ている芸能人の人を見て、自分もと思いだした。
芸能人って儲かるのかなとかいろいろ考えていた。
その次の日、芸能事務所に連絡をいれる。
賢治とゆう男の携帯に連絡する。
「もしもし結衣です。関心出てきたのでやってみようと考えています」賢治が出て、
「あっそうです1度事務所の方に来ていただけませんか」
そう言って、結衣は事務所の面接に受かった。