帰還
広大な大きな寝室に皇太子は来ていた。
「父上に伝えたき事がある」
「今、皇帝閣下はお休みになられておられます」
「今しかないんだ取り繕ってくれ」
皇太子は通された。巨大な水のタンクの中に皇帝の姿はあった。
口に呼吸器がついていて、体にコードをつけている。
「火星からの人間が地球を訪れたようですが・・・」
「火星はどうなっている?」
「いい星になっていると聞きましたが、どうします?」
「我々はあの時代があったものだ・・・今は放っておけ。
お前はあの時代を知らない」
「わかりました」
そう言って皇太子は引き返す。
そこから、部屋を通って広い部屋に行く。
巨大なコンピューターがあって、コンピューターが、
「火星からの訪問者が地球を訪れたようですね」
「ああ。私に指示を」
「火星からの訪問者を迎えるロケットを破壊しなさい。地球に閉じ込めるのです」
「わかった」
そう言って皇太子は側近と話をする。
「火星もいい星になってきたな。いろいろと利益に仕える。今の地球なら宇宙開発法を破れる、私が皇帝に戴冠する事になれば、火星を抑えるつもりだ」
「しかし閣下は反対されているようで」
「父上もそう長くはない」
「火星の訪問者を迎えに来るロケットを破壊しろ。奴らを殺せ。国民にばれると厄介だ」
その10か月後に地球に迎えに来た、真一達はロケットを迎えるためにその場に来ていたが、ロケットにミサイルが撃ち込まれ、ロケットは破壊された。
「どうゆう事だ」
「この地球から出さない作戦じゃないか」忠興は言った。
「大変な事になったな・・・」
そのまま3人は研究所に帰り、博士に涙ながらに訴えた。
「ああ、もう僕達は火星に帰れない」
「火星へ帰る方法がある」
「何ですか」
「ここの地下室にあるあのロケット群を使えば火星に戻れる」
「戻ろう火星に」真一は言った。
地下室のロケット群を点検して、コンピューターに向かい、博士は電源を入れる。
電源が付いた。
「エンジンも正常だ。これなら火星に帰れる」
真一は美樹に言う、「帰ったら結婚しよう」
それを聞いて美樹は、「私はもう少し地球にいたいの。あの時代の事を知りたい。
火星へ帰るのは少し遅くなると思う。ロケット群の別のロケットで火星に帰りたい」
「じゃあ、火星でまってる。気をつけてな」真一は美樹に言った。
「エンジン点火」
真一と忠興はロケットに乗り、ロケットは発射した。
ロケットは地球を抜けて、宇宙に出る。
火星に「やっと帰れる」真一は思った。
そのままロケットは火星に向かう。
美樹も遅れて帰る準備をしていた。
ロケットに自分も乗ろうとしてチェックして帰還を考えていた。
美樹もロケットの整備をしていると、1発の銃弾が美樹を驚かせた。
研究所の若い男だ。
「美樹さん・・・僕は貴方みたいな女性の種を地球で残す必要があります。
僕との種を残すようにしなさい。そして僕を火星に連れていけ」男の目は真剣だった。その男に銃の音がして、男は倒れ込んだ。撃ったのは佐久間教授だった。
「教授」
「よかった」
「佐久間教授、一緒に火星に来ませんか?あなたのような方が火星には必要です」
美樹は言った。
その問に「いやいや、私は地球を離れるつもりはない。この星を蘇らすために頑張ろうと思うんだ。私はこの星で1生を終えたい・・・」
「わかりました・・・じゃあお元気で・・・」
美樹は教授と握手すると地球を出る。この日は皇帝の大葬を終えて新しく皇太子が皇帝に就任した戴冠式の日だった。