研究所
砂嵐がましになる頃には研究所に着いた。
研究所に入ると一人の若者が出てきた。
「何のようですか?」
「ここへこの子供含めて避難させてほしい」
「ここはホテルじゃないぞ」一人の老人が出てきた。
「有名な博士だよ」少年は言った。
「おい、このガキよくここに来るな・・・それより・・・。貴方達は火星の使節団の方かね」
「ハイ」真一は言う。
「話は聞いている」
「ここは何の研究をしている所ですか」
砂嵐が吹いてきた。
「とにかく中に入りたまえ、この辺は危険だ。地上で暮らしている人間も地球では珍しい」
中に真一達がはいると多くの機材が見える。
「ここは政府の研究施設だよ。はじめまして佐久間と言います」
「はじめまして、僕は真一、こっちは美樹、そして忠興と言います」
「はじめまして」
とまどいながら握手する。
「ここでは宇宙の研究をしている。貴方達と同じように別の移住できる惑星も探している・・・。貴方達が火星に行ったのは聞いている。火星の話をしてくれませんか、色々と聞きたい・・・」そう言って、真一達を部屋に案内する。
「食料はあるのですか?」
「いろいろと保存食がある」
「今かじりつきたい」
「とにかく今は食事にしよう」
真一は久々のごちそうにかじりついた。
「このまま地球に滞在する予定なのですか?」佐久間博士は言う。
「10か月後、火星からロケットが地球に着く予定です」と言う。
「そのロケットで帰るのですね。火星へ」
「そうです」
「今火星は、テラフォーミングされ、父とかのおかげでパラオになり、ようやく住みやすい星になりつつあります」
「凄い・・・」佐久間博士は言った。
「地球には何しに?」と続けて言う。
「地球の科学力や知識の保存ですよ」
「地球の力を得てはいけない。貴方達は新しく火星で切り開く方でしょう。人類と同じ間違いをしてはいけない」
「とにかくここなら学べますか」
「火星からロケットがくるまでここで滞在しなさい」と博士は言った。
ある夜、地下室へ降りると、フードを被った大きな物体がある。
「ここはかって日本のNASAだった」博士は言う。
「あの大きい物は?」
「ロケットだよ。今は機動していないがね」
「来なさい、見せたい物がある」真一に言った。
それから部屋に案内すると、網膜セキュリティーの鍵を開ける。
広い部屋になっていて、博士は機械を機動さす。
「残っているよ。人類の歴史や技術力だよ」博士は言った。
「この技術を使って、私の星を良くしたい」真一は言った。
「私反対だな。ここにある技術力は全て安全な物ではないのだ・・・。この技術を得ては人間は同じ過ちを犯さないだろうか」
「と言うと?」
「火星も地球と同じ運命をたどるかもしれないとゆう事だよ」博士は言った。
それから、
「見たまえ。あの時代の記録だよ」と言って見せてくれた。
「地球を滅ぼしたのはサイバーの核戦争だ。科学力におごった人類は地球を滅ぼした」
「どうゆう事だ?」
「知りたいか?地球を滅ぼした科学力を」
「ああ」
「6次元だよ。人類はこの自然界で頂点の科学力をもった。
人間の暴走により、それを防ごうとする人々との戦争もあり地球は滅びた」
「暁の光が空を覆う時、この世界は火に包まれた。知らないのか・・・、
世界が終わったあの時代の事を・・・」
「当時の司法には高度すぎてあの時代を止める力はなかった」
「あの頃があった。私の祖父もだから宇宙へきたんじゃないですか」続けて、
「どうしてあの時代が起こったか知りたいのです。
人間の暴走なのはわかる。でも誰が・・・」
「それは知れなかった」
「火星はあまり文明として進歩していないから、あまり国の干渉がない。だから父でもここまでできた。6次元は宇宙を旅する力を持っている。遠く離れた惑星へも行ける。その力を使って人間の干渉のない星に移る気はないですか」
「どうゆう事だ。その考えをもってはいけないと言いたいんだ。火星のインテリの入植者達は火星へ来るのに6次元まで使用した疑いがあり、それにより、地球はサイバー核戦争のあの時代まで至った恐れがある。その入植者達は火星で何不自由ない生活を送っている・・・」教授はそして続けて、
「堕落した火星に、分かるかね、かってこの楽園を不毛の土地にしたあの時代のあった地球の憎悪を・・・」
「テラフォーミングが終わり火星は今、先カンブリア時代を迎えています。自由で遊んでくらせて、豪邸にも住める。何でもタダです。国もない」
「地球は堕落して費えた、先カンブリア紀も地球では人間のいなかった、文明もなかった時期のよさだ、その考えで今はいいが同じ人間の星にならないようにと言いたいのだよ」博士は言った。