旅の終わり
シドニーからは西オーストラリアの鉄道の旅だった。
鉄道の車内で詩織はずっと無言だった。
鉄道はシドニーから東海岸をずっと回る。鉄道のインディアンパシフィック号に乗って、オーストラリア大陸を巡る。
途中の駅に停車する。祐介は鉄道を降りて土産物店で買い物をする。
詩織の口数は少ない。
「オーストラリアの旅も終盤だな。いい思い出が作れた」
「私も」詩織は口を開いた。
「オーストラリアは素晴らしい所だ、僕は家を買って移り住もうと考えているんだ。
で、詩織はこの旅が終わったらどうするんだ?」
詩織は少し考えて、
「慣れればやっていける、立ち直っていい人生を送りたい」
「でも知り合いなんかいないんだろ、親族も」
「詩織、オーストラリアに家を買いたい」
「えっ」
「詩織といて、最高の思い出になれた、詩織と一緒でいい」
「旅が終わると答えを話すと言ったね。旅が終わったら言う約束だね」
「オーストラリアに来てよかった」
「僕もだ」
「このまま旅が終わるのが嫌」
「いっその事、オーストラリアだけじゃなくて世界1周したいなぁ」
そしてちょっと沈黙した後、
詩織は嬉しかった。
インディアンパシフィック号に乗って、鉄道は東に進む、外は広大な小麦畑が広がる。日は落ちかけていた。小麦畑が黄色く広がる。オーストラリアは少ない地球の人口に食料を提供していて、農場の規模も大きい砂漠に人は見かけず、北アメリカやヨーロッパに人口は集中していて、オーストラリアにも人口も多く移住している。
「あれがオーストラリアの夕焼けだ」
窓から広大な地平線が広がり、オーストラリアの夕日が沈むのが見える。
鉄道は5:00にアデレードに列車は着いた。
アデレード駅で二人は列車を降りて、広いホームで語り合った後、夕焼けのホームで祐介は詩織を駅のホームで抱きしめた。
二人のオーストラリア旅行は終わった。
祐介がオーストリアに家をもったのは旅を終えてしばらくしての事だった。
詩織は勉強してオーストラリアの大学にはいり、
詩織と祐介は結ばれていった。