夏への扉
二人がシドニーに着いた頃は季節は春から夏へ変わっていた。
シドニーを歩いていると、サンタクロースの恰好をした人が子供達に風船とクリスマスカードを渡していた。子供達ははしゃいで受け取っている。
シドニーはクリスマスパレードに沸いていた。
クリスマスパレードとゆう事もあって、学生の楽器の太鼓やトランペットの飾りをつけた演奏隊がシドニーの道を行進している。
道端で行列をつくって多くの人がその行進を見届けていた。
その人波の中に二人も混じってパレードを楽しんで見ていた。
「北アメリカを出た頃は春だったのに。夏なのにサンタクロース?」
「オーストラリアは南半球なんだ。オーストラリアのクリスマスは夏なんだ」
「南半球?」
「地球の赤道より南の所を指すんだ」
その問に美波は答える。
オーストラリアは21世紀、政治と別に経済は地球統一後、日本とかとの資本主義経済同盟による、昔で言えば、ハンザ同盟。ASEANであり、日本は世界の経済連盟の会社の下請けの感じの会社が多くあり、世界経済自由化により世界の企業は多く合併しており、国民は日本で連盟の世界の大企業だけでなく、世界の中小企業の社員になっている。オーストラリアは世界有数の大国である。
司法も経済同盟との国と連携がとれるようになっている。
内陸部は人が少なく小さな町だが列車は時間のかかる長い路線と行き帰り短い時間の短い路線がたくさんでき、長い路線とわけ、内陸部の交通も発展して、開発が進んできている。食事は国内の食料共産化により、どんな人でも安い料金で食べ放題やバイキングのレストランが多く増え、食事はほぼタダ。
オーストラリアへの日本のウラのポルノ文化とかは規制されており、
裏がなく、自然や治安がいい。
「日本はどっちなの?」
「日本は北半球だよ。北アメリカ州も北だ」
「オーストラリアはオセアニア州ってとこで南半球。南アメリカ州おおよそかな。
オーストラリアの祭日くらいは知っている、16、17、18はイースターだ。25日はアンザックデーだ」
「ちょっと休まない?」
詩織は公園を指さして言った。
公園には多くの小鳥たちがいて、
二人はシドニーの公園のベンチに座ると、
「私はあの島を出てもう2年になる」
と呟いた。
美波には祐介に特別な感情が生れていた。もう彼がいないと自分は生きていけない事。それ以前に彼女は祐介の人間性に強く惹かれていた。
「私はこれから学んでやっていける人間になりたい。あの島を出てから、私は最初あの島の世界しかないと思っていた。でも違った、貴方と出会えて本当によかった。でも今のままではこの世界の人間としてやっていけない。
この世界は広すぎて、私の中では素晴らしいと感じた。
でもこの世界でやっていくには努力が必要。
私はその大切な時間をあの島で取られてしまった」
勉強もしていない。私はこの広い世界で通用するだろうか。世界は統一されて平和でやっていけるだろう。でも知識人の祐介の妻としてはどうだろうか・・・。知識とゆうより自分は子供すぎやしないだろうか・・・。
「私、努力する。お願いがあります」
その問いに祐介は言う。
「何?」
「私と付き合ってください」
それを聞いて、祐介は少し考えた。
詩織はもう成人すぎている。失っていたその大切な時間を取り返すには僕が頑張らないと、けっして美波に満足できていないんじゃなかった。
自分の理想の女性だ。僕の事も考えてくれている。
だが、別の女性との人生とゆうものもあるんじゃないか。
そう言って、祐介は詩織を見つめる。
まだ20を過ぎてまもない彼女。自分の事を1番に考えてくれて、
彼女となら・・・。
そう思って、詩織に答える。
「なぁ。そうゆう事は普通男が女に言う事じゃないか。その答えはこの旅行が終わったら言おうと思う」
詩織のプロポーズがいきなりすぎて、祐介は戸惑いを少し感じていたのである。
祐介はそこ答えをもう決めていた。ただ、今すぐには言わなかった。
旅の終わりに言おうと決めていたのである。
祐介がすぐに言わないの詩織は残念がった。自分は祐介にとって・・・。でも努力すればと感じていたのに。
「私は祐介の彼女になれないのか・・・」
そう詩織はその場でそう感じた。
夏の日差しは暖かく二人を包む。