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5月30日 僕は生まれた 名は直樹。
幼い頃の記憶はなかったが、父の家で育てられた。
他の人間が母がいるのにどうして自分だけ
ある日、祖母に「どうして僕のお母さんはいないの?」と尋ねた。
「貴方を産んだお母さんとお父さんは合わなくて離婚しているの」
「離婚って何?」
「一緒に暮らさない事。別れているから、もうその人はお母さんでないの」
幼い頃は部屋にテレビもなかった。
父がテレビは教育によくないからと買ってくれなかったのである。
そのため、テレビを見るのは、広間に行かないといけなかった。
よく父が怒り、家を出ていかされ、遅くなるまで家に入れてくれなかった日もあった。
父に母の事を尋ねる。
「お父さんとお母さんはどうして離婚したの?」
その問に父は無言だった。
幼い頃は少しの間、母の所へ行く、時間を父も祖母の意見で用意してくれた。
母の家に行って、母の祖母と母とトランプゲームをして遊んだ事もあった。
「僕はお母さんの所へ行きたい・・・」
そう思っていたが、実際、親権は父。
どうやら父は借金を多くしていて、それが原因だったのかもしれない。
父は金銭感覚とゆうものがなく、
借金を積み重ねていた。
歳がいくと幼稚園を出て小学校を入る頃になる。
ある日、中学校の入学試験のある小学校を受験させられる。
運動の試験のためによく父にスポーツクラブに入れさせられ、
運動ができないと父に叱られた。
ある日、坂上がりができないからと父に頬を叩かれる。
その記憶は長い間、直樹の脳裏に残った。
小学校に受かり、小学生活を送っていたが、そのころ、てんかんにかかった。
小5の頃に祖母が亡くなった。
その後、しばらくして父の破産した事を知る。