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直樹はその数週間後、ホームレスの姿で駅にいた。
このまま死にたい・・・
ネットカフェやカプセルホテルで過ごす毎日
そんな直樹に携帯にメールが届いた。
会えませんか・・・7時に待ってます・・・
保釈金を出したおばさんです
「保釈金を出してくれた人・・・」
7時に待合に向かう。
一人のおばさんがそこにいた。
「直樹って言います・・・。俺ずっと警察の刑務所でいました。
仮想現実の世界で生活をおくっていました・・・。
誰ですか・・・」
「こんなになって・・・。貴方を引き離されたのは胎児の時、
あなたの子供の頃は知らない、貴方を産んだ。
胎児の頃、医師と警察により、貴方と私は引き離された。
それから努力していい生活を手に入れた、夫は死んだけど・・・。
貴方と会うのは夢だった・・・」
そういって続けて、
「貴方の母です・・・」
「えっ」
続けて、
「私、もうそんな長くないんです・・・。
数年しか生きられないみたいです。
だから貴方に会いたかった。一緒に暮らしませんか・・・」
母・・・。僕の本当の親・・・
直樹は本当の母を抱きしめた。