01
フラヒヤ山の中腹に小さな集落があった。そこは寒さが厳しく、一年を通して雪が融けきるのも珍しい場所だ。
名はポッケ村。
昔に比べると大分ハンターが集まったようだか、まだまだ未開の地。危険は大きい。
そこで、ハンターになって早々派遣されたのがこの少年シュンだ。
マフモフシリーズを着込みながら寒さに震えるシュンに対しての村の人達の目線は優しかった。
ポポに荷車を引かせ、何事もなく到着したシュンは予定より早く着いたのだが、村の人はもっと早くに待っていた。
しかし、シュンが驚くのはそこではなかった。
「えっ・・・」
シュンはドンドルマの都会育ちで、今まで村を見たことがなかったのだ。
「驚いたかね?」
不意に後ろから声を掛けられる。
そこにいたのはポッケ村の村長だった。
背は低く、優しそうな老婆である。
「あ、はい。村を見たのは初めてで」
「そうか、ともかく長旅で疲れたじゃろう。今日はゆっくり休むといい」
「ありがとうございます」
そして、シュンは今日から使う自分の部屋のベットでぐっすり眠りに就くのだった。