冬の初め
7月4日 10:00 東京
警察官になりたての政人は、暗い部屋にベッドルームで目を覚ました。
何か食べようとキッチンに行き、冷蔵庫にあった賞味期限の近い冷凍のピザを電子レンジで温めて口に放り込んだ。時間は夜の10時だ。
室内が少し寒かったのが気にかかったが、体を綺麗にしようと服を脱いで風呂場に行き、ボタンを押して円形の全身を囲い込む温かいジェットスチームの水蒸気を数分間全身に浴びた後、バスタオルで体を拭いた。
そして政人は自分の部屋のTVをつけた。
健康のための腸内細菌の培養の会社のCMが流れていてそれが終わると、TVの間に夜の町ではヤマクラ製薬グループのホログラムのCMが流れていた。
私達山倉製薬は病気に悩むたくさんの患者さんをさんをサポートしていきます
ヤマクラ製薬の薬品の新商品の知らせがメールで政人のパソコンにメールで届く。
暗い部屋に町のすぐ近くの深夜特急が走り、部屋を1時的に明るくさせた。
ヤマクラ製薬は麻薬合法化により依存率のない合法ドラッグ、
(普通はあまり快感ではない薬で快感は少なく、脳の慣れを依存率のない安全なドーパミンの量の自分の意志でやめれるセックスの快感のドラッグを開発し、それに精力興奮剤を合成して、肉体関係の大幅な快感のサポートで、性交の快感を1.5倍にする事に成功した大企業。ドラッグの安全基準まであり、ヤマクラ製薬のは合法で性交目的で薬局で買える)
文化は相次ぐ財政難や社会的混乱で、強かった日本の20世紀を理想とする徹底した20世紀保守主義が台頭し、新しい知識人や文化を弾圧する傾向にあり、文化や進歩は停滞し、長き停滞の時代を迎えていた。
最近下痢がひどい政人は自分の尿と便を机にあった古めの健康解読装置で診断してみた。
予想どうりアルコールの検知が出て、カロリーオーバー気味の生活と診断され、
足りない成分もコンピュータが導き出し、かかりやすい病気も診断された。
病院に行ってみるのもどうでしょう?と出る。
政人の住んでいるのは、普通の住宅街でインテリの高級地区もあるがもあるが、
高級地区は富裕層のいる地区で金が集中している。 が、その反面スラム街は多い。貧富の差は大きく仕事も少ない。
政人が部屋のベランダに出ると、子供達がドラム缶の中に火を焚いて、寒さをしのいでいるのが見える。
政人はピザでは満足できず、お腹がすいていたので、近くの深夜営業の店に行って食べ物を買ってきた。
向かう時は開放的なエレベーターだったが、帰りは階段で部屋に戻る。
通路では扉から合法ドラッグだろう、性行為をしている声が響いている。
階段には麻薬中毒者だろう?
一人は階段に顔を隠して座り込んでいて、もう一人も顔を隠すように横向きに寝転んでいる。
掃除ロボットを連れて、掃除のおばさんが、
「あらこんな夜、大丈夫ですか?外はこの時間帯は怖いのに」
「心配しなくてもいい。警察だ。階段の所でまた二人ラリっているな。また倒れている。たしか5階に住んでいる奴とよく知らない奴だな、上がりにくい」
「また麻薬中毒で自殺者が出たそうよ」
「いろんなクスリに手を出す奴が増えるんだよ・・・。こいつらの身近な心配も行政にしてほしいよ」と政人は言った。
2人を麻薬中毒者支援団体が引き取りにきたのはその2時間後だった。
2人を肩にかけて皆無言で大きい車に運び込んでいた。一人は最初激しく抵抗していたがそれもおさまり運ばれていった。
政人はそれを窓から確認すると、水道から水を出してコップに注ぎ、2・3回うがいをした。
13:00深夜
部屋のブザーが点灯する。政人はそれに気ずいて扉の方へ行って誰が来たか確認する。扉の前の点灯ボタンが表示され、青い映像表示に政人の彼女の美佐の映像が写し出された。
「誰?」
政人は最初誰が来たかわからず確認するため、音声交換機のインターホンに話しかける。
疲れた表情で、
「美佐・・・。疲れたから来た・・・」
とそれだけ言って、下かがみで言っているのが写し出された。
美佐は万能細胞ベビー生まれだ。
政人はそう聞くと、扉のセキュリティー番号を入力して、扉を開けた。
外の冬の冷たい空気が美佐とともに入り込んできた。
「ちょっと疲れただけ」
と美佐は扉が開くと同時に倒れこんできた。
「具合が悪いのか?」
「ちょっと吸いすぎた」
政人はヤマクラ製の煙草のチューブを確認して、
「またドラッグかよ・・・」と言う。
それから白いシーツのベッドに美佐を肩車して、自分のソファーの茶色いソファーに寝かした。
それから白いシーツのベッドに美佐は仰向けに倒れこむ。
そのままキッチンに政人は行って、製氷機から氷を取り出してコップに入れた後冷蔵庫を開けて、オレンジを取り出すと皮を剥がして中身をミキサーに入れて牛乳と混ぜてコップに注ぎ、美佐のためにジュースを作り、コップに注いで、ソファーに疲れた体で眠っている美佐にそのまま飲ませてあげた。夜の雨音が気持ちを暗くさせる。
そのまま自分の着ている上着を美佐に被せる。
美佐はそのジュースを辛そうにソファーから体を起こし飲むと、
「ありがとう」と言う。
その後、美佐はヤマクラ製のヤクを取り出すと、
「ねぇちょっと遊ぼ」と誘惑してきた。
政人は天井を普通の天井の画像から背景のチャンネルを変える。
1つは連続写真の原理で早く動く雲の映像に変える。まるでゼウスが大気を移動させているかのようだ。政人はチャンネルを変え、次のエントの森の背景から、
政人は天井の背景を動くオーロラの背景に変え、
美佐とベッドに倒れこんだ。
ヤマクラ製のキツイヤクにその日の政人は誘いに乗り、イマジンの曲に政人と美佐は天空をゆっくりと進む天使の姿になり彼と彼女を快感に誘った。
そしてそのまま美佐は寝込んでしまった。