旅の終わり
飛行船に乗ってパースへ着いた二人、そこからは西オーストラリア鉄道の旅だった。
鉄道の車室では、祐介は詩織とトランプのポーカーをして楽しんだ。
いつもポーカーで詩織は負けていて、笑いあった。
鉄道はパースを東へ向かった。鉄道のインディアンパシフィック号に乗って、4日間のオーストラリア大陸を巡る。
途中の駅に一度停車する。祐介は鉄道を降りて駅の近くの土産物店で上等な時計を買った後、スターバックスコーヒーの店に詩織とはいり、祐介は詩織にカフェオレを注文した。
「オーストラリアの旅ももう終盤になる、いい思い出になれた」
「私も」
「オーストラリアは素晴らしい所だ。
僕は家を買って移り住もうって考えているんだ、で、詩織はこの旅が終わるとどうするの?」
詩織は少し考えて、「慣れればやっていける。立ち直って、いい人生を送りたい」
「でも知り合いいないんだろ?親戚も」
「クローンだからね・・・私はあのまま島にいた方が不自由ない生活は送れたかもしれない、でも今は後悔していない。初めて世界を知れた、こんなに広い世界があると分かった。これから苦難があろうと私は今がいい」
「詩織・・・オーストラリアで家を買ったら、一緒に暮らそう・・・」
「えっ」
「詩織といて、僕も素晴らしい思い出になれた、詩織と一緒なのは落ち着く。
僕ももう少しだけ詩織といたい。
僕も鬼じゃないよ、詩織を連れ出したのは僕だし、詩織の生活とか考えて、
家が手に入ったら、ずっと一緒でいいよ」
「生活が安定するまで一緒でいいの?うれしい」
「いや、違うよずっと一緒がいい」
「えっ」
「僕と結婚してくれないか?」
「ハイ・・・」
インディアンパシフィック号に乗って、鉄道は東に急ぐ、外は広大な小麦畑の農園がひろがり、日は落ちかけていた、数頭のカンガルーがいるのが見える。
小麦畑が黄色く広がる。オーストラリアは少ない地球の人口の食料を多く提供してくれて、農場の規模も大きい。地球は統一され広大は平野ばかりで、アラブといった、砂漠では人間の姿は見かけず、気候のいい多く北アメリカやヨーロッパ等に人口も集中していて、オーストラリアに人口も多く移住している。
「あれがオーストラリアの夕焼けだ」
窓から広大な地平線が広がりオーストラリアの夕日が沈むのが見える。
鉄道は5:00にアデレードに列車は着いた。
アデレード駅で二人は列車を降りて、広いホームで同じ鉄道の客と語り合った後、夕焼けのホームで祐介は詩織を駅のホームで抱きしめた。
それから二人はキスをした。
二人のオーストラリア旅行は終わった。
祐介がオーストラリアに家を持ったのは旅が終わってしばらくしてだった。
詩織は勉強してオーストラリアの大学に入り、祐介と詩織は結ばれていた。