航海日誌2
船は大分旅をした。
船は太平洋を進んでいた。濃い霧が船の視界を曇らせる・・・。
そんな中黒い影が船が近ずいてきていた、
乗務員は甲板で何の船か眺めていた、一人が双眼鏡で船を見つめる。
「濃い霧で分かりそうにないな、あの黒い影はなんだ?」
「船だ」一人が気付いて言った。
「何の船だ?」
「オーストラリアからの船かな?」
「わからないよ」
祐介もデッキに出てきた、
「何か信号を送ってみよう」
「OK]
黒い影は近付いてきた。
「何だ?」
「わからない」
一人の船員が言った、「海賊船だ!」
黒い海賊船の蒸気の帆船が近ずいてきた。
船長が、「全速力、逃げ切るぞ!」
だが海賊船は速く逃げ切れそうじゃない、祐介達の船は海賊に威嚇射撃をした、
ものともせず、海賊船は祐介達の貨物船に体当たりをした、
「うわっ」2・3人海に放り出された。海賊は帆船のマストのロープを使って乗り移って来た、護衛が発砲する。海賊も発砲してきて、貨物船は戦場になった。
祐介も勇敢に戦ったが、全員負けた。
タトゥーをいれた男が出てきた、
「お願いだ、助けてくれ」と船長は言う、
積み荷を海賊達は奪うと、貨物船に火を放った、
燃えおちる船の中、乗組員達は火に焼かれる前に銃で殺された。
祐介と詩織は、自分の頭に銃を突き付けている海賊の一員が少し目をそらしたのを見て、自分の胸元に隠していたハンドガンでそいつを撃ち、海に飛び込んだ、
詩織は捕まったままだ。
貨物船の燃えてバラバラになった船の一部にしがみついていたが、ここは太平洋のど真ん中だ・・・どうせ死ぬと思い、詩織を考えて結局海賊に捕まった。
「こいつも殺そうか」と海賊の一人が言う、
「おまえこの船の乗組員じゃないな」
「ああ海洋学者の祐介」と言う、
「殺せ」とタトゥーの男が言う、
「待ってくれ、僕達は旅行しているだけなんだ」
「貨物船でか?」
「オーストラリア行く船がなかったんだ」
「オーストラリア?奇遇だな俺達もオーストラリアに向かう」
祐介は思い切って、
「大金を払おう、それで僕とあの女の命を助けてくれ」
少しタトゥ―の男は考えたが、
「いくらだ?」
「日本円で50万だす」
「それではな」
「じゃあ100万だすよ」
「ふん、じゃあ縄はといてやれ」
祐介は助かった、「だがこいつらを船員室に閉じ込めとけ」
「まってくれ俺達はそんな危険人物じゃない、オーストラリアに行きたいだけだ」
タトゥーをいれた男が、
「俺がこの船の船長の浩一だ」と言った。
「さぁ黙って船室で行け」海賊の一人が言う、
浩一に祐介は、
「ここは太平洋のど真ん中だ。俺達をオーストラリアに乗せてってくれないか?
もちろんタダでとはいわない」
「いくらでだ?ここでお前らの金を全部頂く事もできるんだぜ」
「頼む」
少し考えた後、こいつらで金を儲けれると思った浩一は
「じゃあいくら出す?」
「110万でどうだ?」
こいつらを今なら無理な大金をせしめれると思った浩一は、
「どれだけ出せる?」
「150万でどうだ?」
「いいだろう」と言った。
陶器の石焼鍋で乗組員達が飯を食べている。
地球の資源は枯渇していた。乗組員は多くのミネラルウォーターを船に用意していた。祐介はよっぽどのどが渇いていたのかミネラルウォーターをぶんどり一気に飲みほした。
「おいおい」
「ありがとう死にそうだったよ」
浩一が出てきた、
「俺達は海賊の他に真珠の養殖の仕事をしている」
浩一はウイスキーを片手に言った、「お前も飲むか?」
「もらうよ」と勢いでウイスキーを飲んで吐き出す、
浩一は笑って「はは、ここに来ていきなりはきついか」
そして3日後・・・
船は波の中、オーストラリアに向かっていた。
「航海は順調だな」と浩一は言う、
マストに登っている船員が何かに気ずいているようで、浩一を呼んだ。
マストの乗組員は海上で背びれのような物が見えるのを双眼鏡でじっと眺めた後、
乗組員は双眼鏡を浩一に渡して言った、
「エルゴだ。2日前から俺達の船をつけている」
「厄介な事にならないといいが・・・」浩一は言った。
(エルゴ 今は禁止されているトランスジェニック生物時代に遺伝子操作で作られた巨大人食いホウジロザメ。姿は古代の鮫メガロドンを思わせる。獰猛で賢い。船乗り達から恐れられている。通称海の悪魔)
祐介は背びれを見ながら、18メートルはあるな・・・と呟いた。
「奴の事を関心あるのか?」船員が言う、
「僕は海洋学者でね。あいつが悪名高きエルゴか」
「奴の獰猛さは凄い。人間を見つければ襲ってくる。
食われた知り合いは計り知れない。奴は人間の肉が大好物だ。
しかも賢さは並みじゃない。人間は遺伝子操作であんな化け物を作ってしまった。
先人の犯した罪さ。あいつはそんな自分を作った人間の血を貪欲に欲しているのさ、どこまでも・・・」
と海賊船の船員は背びれを見つめながらそう言った。