みんなのVR
VRの世界は叶わない夢などない。
自分自身が王になり、なんでも思いどうりになれる。
子供の頃の夢が仮にオリンピックの選手ならVRの世界でその夢を叶えられる。
夢や自分の思い描く世界から性的な事まで。
VRは多くの人の広く利用にされつつあった。
VRの革命期ともよばれる時代から、
今は子供まで多くの人がVRをもっている。
一人の悲しみ、寂しさからVRもPSのように気軽に楽しめる事から人気があった。
(人体の骨格の動きをコンピューターに取り込む技術やAIの人間的思考と話せる技術をつかってマトリックスやバニラスカイのような体験が可能だ。発言のプログラミングをするだけでCPのAIが最適な世界を提供してくれる)
博文は満席のスタジアムで投手としてメジャーの優勝戦の最後の試合を迎えつつあった。観客からは惜しみない拍手と応援が響く。
キャッチャーが博文の所へ行って、博文にボールを手渡した。
最後の打者は4番のマルシアーノ。
「次は経験」
その判断に博文は首を振る。
「嫌、歩かせない。マジ勝負でいく」
キャッチャーは理解するとサインを送る。
「OK」
ワンエンドアップから第一球は変化球
判定はボール
次は第二球ストレート 153キロ
判定はストライク
そのまま球2ストライク3ボールに
最後の一球。ストライク
優勝
全員がマウンドに駆け寄ってガッツポーズ
その瞬間、世界が真っ暗になった。
「へ」
VRの電源がなんらかの原因で抜かれてのVRの機能停止だった。
博文の夢、野球選手。高校まで野球1筋で打ち込んできた自分が甲子園にも出れなく青春は終わったのだ。
なかなかの選手だったが結局甲子園には出れず、
今は成人して忙しい生活を送っている。
そんな現実に嫌気がさしたか博文は最近VRにのめりこむようになってきた。
モテない自分にも公平に接してくれる
VRの女性。
VRのCMで有名な性的アダルトに出ている女性がCMに起用されていたりして、
アダルトのVRにはまっていた時期もあった。
眼鏡でアダルトVRでH動画を好きな芸能人のアイコラにして奥さんとしている連中もいる。
彼女との肉体関係にVR眼鏡をつけて、女性も適合者しかおらず、皆美人だが自分の好きな芸能人との映像の擬視体験をしていたら、女に文句を言われた。
VRで思いどうりの世界。そこは彼にとって密かな楽しみだった。
自分は王にもなれた。
スーツを着て、自分が1国の王様にもなれた。
英雄の人生の体験もできた、誰も自分の批判もない、自分の味方だけの世界で、
思いどうりにもなれた。
VRで自分だけの帝国主義世界でも近代的な高度な社会も子供だけの遊びの楽しい世界もレベルに応じた世界もなんでもできる。
召使が自分の事をなんでもしてくれて、
VRで自分だけの国も作れて面白い。
VRで競馬もスポーツも思いのまま。
自分は完全にその世界に酔っていた。
だがそれも長くは続かない。
厳しい現実とゆうものがあって、のめりこんだ博文を少しがっかりさせる。
安い料金で博文に幸せを提供してくれるVRにとりつかれる人間も多く、
自分の皆味方。誰も自分の敵なんていない。
それが現実をよけい厳しく感じさせる。
その他VR眼鏡着用のスキューバ―でジュラ紀の海の体験可能や自分が映画の主人公のラスト・アクションヒーローや逃亡者(自分の画像をプログラムして東京23区逃げ切る実写版。同じ原理でジュラ紀の海、ドキュメンタリー古代の海の感じのダイビング体験とか)も人気のあったVRソフトだ。
その他大ヒット 僕の夏休み かまいたちの夜等
女性のCMの360度のアダルトVRも人気
自分のあこがれの娘と体験等
手にいれたい女性との理想の結婚生活もVRで可能。
博文は生活を親にたよってVRのひきこもりぎみの生活を送っていた。
VRだけしか信じられない
現実にいたくない・・・
自分の寂しい毎日を癒してくれる 仮想現実・・・
それしか関心があまりない
実際、刺激を教えてくれるのは仮想現実だった。
現実は政治も含めておじいさんで
実際の所はそこまで過激な若者が好む楽しい世界とは言えない。
博文は会社も辞めてひきこもる生活が続いていた。
だがさすがに博文も今の生活ではいけないと変えようと県の人間に親を連れて、
相談に行く事も多かった。
そんな博文に県の職員の女性の一人がよく心配して立ち直らせれるよう努力しているようだ。
近くのコンピ二に飯を買いに行くときに職員の人が家に来た。
親との相談だ。
「息子さんひきこもって何年になりますか」
「もう5年になります」
「前にも相談とかありました?」
「時々は」
「どう言われましたか」
「その時は県の人も大したことないだろうの雰囲気でしたからね。
今実際ここまでなるとは思いませんでした」
博文はウザイ・・・と思いながら飯を買いに行く。
久々に朝で外で風でもあたろうかと出ていたら、
職員の人と会った。
「私は博文さんに現実で立ち直ってほしい」
「ただVRしてただけだよ。」
「それだけですか」
VRとゆう事に逃げていたが実際は現実への厳しさから逃れたい一心だった。
現実で自分のような負け組は通用しない・・・。
VRしか俺みたいな奴を受け入れてくれるものはない
だからってVRしかないなんて・・・
博文は嘆いた。
自分は誰からも必要とされてないんじゃないか
そんな事を職員の娘に相談する。
すると
「そんな事ないです。必要ないとかじゃなくて、自分が変わって努力しないと・・・」
気ずかってくれた。
もうこれ以上心配はかけれない。そう自覚しはじめた博文は
変わっていこうと簡単な仕事探しに電話をかけはじめた。