非適合者のクリスマス
12月24日クリスマスのネオンが町をよりっそうクリスマス1色に染める。
町の渋滞にタクシーの中から健二は渋滞に我慢しきれず。
「もうここでいいから」
「もう少しまったら渋滞をぬけれますよ」
「嫌、もうホントここでいいから」
そう言ってお金を払ってタクシーを降りて地下鉄で望のいる所に向かおうとした。
望と最初に出会ったのは2年前
日本はIQや才能は認めていないものの、子供の容姿と体を優れさせるだけは認められている。容姿端麗ばかりにする個人的方法、
(容姿端麗な男性もしくは女性の皮膚等のDNAだけを冷凍保存して、自分の子供の受精卵のDNAを容姿の部分だけをクリスパーで切り取り、容姿端麗な別の人の受精卵または皮膚からの容姿の部分のDNAを繋げて1世代導入する事で子供が容姿端麗になる遺伝子組み換え方法。または容姿端麗の皮膚からでなく受精卵から容姿の部分のDNAを切り取り、
自分の子供の受精卵のDNAも容姿の部分を切り取って容姿端麗の受精卵の切り取ったDNAを入れて繋げるる方法。
または1世代だけデザイナーベイビーにする方法や、
その他、容姿端麗の受精卵クローンの子供を1世代や容姿端麗の親の卵子と精子を体外受精で1世代両親が自分の子供でなくても皆容姿端麗な子供にする方法。
美形の遺伝子をその期間に集中して、数を増やす方法。その他美形の受精卵クローンや容姿のデザイナーベイビーも認められているが、才能とIQは認められていない。
産婦人科のインターネットでドナーを選びドナーカップルになってドナーの保存しているDNAの容姿の遺伝子を導入している。それを1世代を産婦人科で実施し、1世代全員美形にするbeautiful children計画、略してBCプランにより、子供の容姿端麗の受精卵を皆、体外で親の子宮に移し、人工の受精する日を統一して、1世代に容姿端麗の遺伝子を世代を超えて集中させ子供の代日本も全員容姿端麗しか見かけなくなり体も日本人の体は欧米の遺伝子導入になり、日本人も外国人とスポーツのフィジカル等互角になり容姿端麗の遺伝子しかいなくなった。1流しか相手にされない世界で皆、容姿は1流。結構人間性で恋人を決める時代)
「合コン人集まらないんだ・・・。人数合わせのため来てくれよ」
健二のスマホに連絡をしてきたのは友人だった。
大学出たての合コンで居酒屋に飲みに集まっていた。
いたのは女性4人で知りあいの人数合わせのために呼ばれたって感じだった。
4人の3人は橋本優子似ともう一人は橋本愛美似と佐田真由美似の女の娘で4人の中に望はいた。
実際彼女が出来たのは少なく、健二は大学時代に一人くらいのもてない男性で、
居酒屋で盛り上がって話をしているのは友人で健二はもっぱら話をあわせるくらいだった。女性メンバーの3人の中に望もいた。
望は芸能人で言う藍生エイル似の女の娘だ。
「ところで仕事何やってんの?」と皆に聞き出す。
健二も望に話しかけた。
「へ〜ところで望さんって何歳はいくつですか」
「えっ、18です」
それを聞いて皆の雰囲気が一瞬気まずくなった。
「へえ〜」と言って、
望に話かけていた友人が別の女性に話かけだした。
健二は言う、
「えっ仕事この歳でしてるのすごいな」
「高校生です」
健二は驚くと、
「お酒とか大丈夫なんですか?」
「別に・・・」
「あっそう」
人数合わせって高校生はまずいだろ・・・と内心思う。
他の女性が健二の顔立ちを見て、
「へえー健二さんって適合者なんですか?」と聞く、
「違うけど・・・」
俺をからかっているのか。適合者でないと女性は相手しなくなる。
女性は全員美人。男もイケメンばかり。
そんな恵まれた遺伝子を持つ人間しかいない時代に珍しい自分。
そんな自分が望と電話したりしている内に望と健二は仲良くなった。
内では健二は望に恋心を抱いていた。
だが内心で口には出さない日々。
学校でも適合者だった望は、それなりに男性から普通に人気もあったのだろう。
いや人間的に性格とかが合えば、出逢い系とかで容姿の優れている娘とすぐ付き合える時代。
雑誌にのっていたりテレビに出る、モデルや女優さんクラスの女性なんかも普通の人の時代。
若い望は適合者でないと耐えられない・・・と生理的にも個人的思っているタイプで、
健二の事も知り合いの程度だった。
どんな奴でももてない奴でも超美人彼女あたりまえの時代になった。
仲良くなって、
健二が求める時があっても、
「ごめん、私適合者じゃないと無理」
とよく拒絶される事が多かった。
看護婦の仕事を終えた望は自宅。
そこで望はスマホを手にとって健二にメールを送った。
そんなクリスマスイブ・・・。
仕事から帰って、望からのメールに気ずく。
「会いたい・・・」
健二はテーブルに置いてある、電気ポットにミルクを入れて沸かすと、
温めたホットミルクをコップに注いで落ち着かせるのと、少し冷えてきたので
ホットミルクを飲みほした。
その後、望にメールを送る。
「どうした」
「会いたい」
「凄く会いたい」
「わかった僕も会いたいな」
代々木公園にタクシーを降りて徒歩で向かう。
地下鉄で向かおうとした。
「今何処?」
「地下鉄のホーム」
地下鉄のプラットホームで緑の椅子に座って煙草を吸っていると、
地下鉄が来る前に反対側のプラットホームで望が健二を見つけた。
望は健二に気付いてもらいたくて、
大声で「代々木公園へ先まってるね〜」と望が声を掛けた。
健二は気付かないで、
そのまま列車がきて彼女は先代々木公園へいっているみたいだ。
そのうち地下鉄が来て、健二も向かった。
望は代々木公園に来ていた。
町にビルのパネルからクリスマス・イブの曲がかかっていた、その日の夜。
吐く息が白く、手袋で両手を望はこすった。
「望〜」
冬の星の綺麗な夜空の中、振り返ると健二はいた。
そのまま公園にあるベンチに二人で座り込んだ。
午前中に降っていた雪が公園を白くしている。
「会いにきたよ」
そのまま望は健二にキスした。
「好き」
「俺も・・・俺適合者じゃないけど、望の事は凄く思ってる」
「そんな事関係ないよ。私も健二の事思ってる」
そのまま二人で町を歩く。
町はライトアップされていた。
ライトアップされて美しい道になっている。
どの木もクリスマスツリーのようだ。
赤や緑や黄色のライトに照らされてクリスマス。
「寒いし家来いよ」
「朝まで一緒にいようよ」
「ああ・・・それとまだ言ってなかったな・・・メリークリスマス」
「うん。メリークリスマス」
望は少し恥ずかしそうに答えた。